「ただいま!」
部屋で本を読んでいたフェイタンは仕事を頼まれた、とリダの所に行っていたルカが予想以上に早く帰って来たことに驚いて顔を上げた。
「早いな。もう終わたのか?」
「ううん、フェイタン!協力して!」
「は?」
「リダさんの仕事手伝ってほしいの。」
帰って来るなりどうしたんだ?とフェイタンが不思議そうな顔をしていたのでルカは説明をした。
「あとシャルナークにも協力してもらおうと思ってるんだ。」
「ま、確かにあいつの情報量ならすぐにわかるね。」
「だよね!リダさんにもキルアにもお世話になったからなんとかしたいの。それにアルカちゃんもすっごくいい子で可愛いんだよー!」
嬉しそうに笑うルカを見ながらフェイタンは自分にとってはルカ程可愛い者はいないけどな、と、思っているが流石に恥ずかしいので声には出さない。
「で、ワタシは何すればいいか?」
フェイタンの言葉にルカが驚愕に満ちた顔をする。
「何ね、その顔。」
「い、いや、まさか快諾してくれるとは思わなくて……」
「は、勘違いは困るね。あのガキの為じゃないね。ルカの頼みだからよ。」
当たり前の様にいうフェイタンに赤面するルカ。こういう反応が面白くて最近のフェイタンは半ばわざとこうして甘い言葉を掛けていた。いつか慣れるだろうと思いきや、ルカはいつまでたっても頬を染める。
ルカは恥ずかしさを隠すようにフェイタンにシャルナークを呼ぶように頼むと、すぐにフェイタンと供に家から1番近いアジトに向かった。
アジトに辿り着くと既にシャルナークはいた。
「あれ?早いね!」
「たまたま近くにいたんだよね。別件で。んで、ちょっと聞いたけど空間転移って言ってたよね?」
シャルナークは早速パソコンを開いてカタカタとキーボードを打つ。
「そう、名前がノヴ、って言うらしいよ。ファミリーネームは知らない。けど、キルアのお父さんが何でその人の能力を知ってるのかはわからないって。繋がりがはっきり分かればキルアがノヴに聞いてみるって。」
「なるほどね、つまり表の人間って事か。ゾルディックは裏の人間代表みたいなもんだもんな。俺たちと同じで。」
こうしてシャルナークと仕事をするのは初めてではない。むしろビジネスパートナーとしてはその立ち位置はお互いに確立していた。
シャルナークもビジネスパートナーとしてルカを信頼していたしルカも同様だ。
「ノヴ、ね。」
カタカタカタ……パソコン画面をフェイタンと一緒に見ていてふと気がつく。
「そういえばさ、シャルのパソコンって、なんでハンターサイトに繋がるの?あれって普通個人のパソコンは繋がらないでしょ?」
「ふふー、それはね、俺が悪人だからだよ。」
「あ、なるほどね。」
悪人、という一言で納得してしまうあたりすっかりクモである。
「ノヴって名前のハンターは何人かいるな。能力まではわからないけど、かなり特異な能力だからとりあえず功績の残ってないハンターは除外ね。」
そして絞られたのは3人。
「この中であのガキと関わりがあた奴て事か?」
「うん!聞いてみる!」
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