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現場に着いた二人は興味深々で周りを見渡す。

「流石にカップルでハンターって少ないんだね。」

「らしいね。でもほら、あれ見なよ、あそこまで不釣り合いだと明らかに他人でしょー。」

シャルナークの視線の先にはハンターでありながらあり得ないほどの肥満体系の女と、断食でもしているのかと言う位ガリガリにやせ細った男のカップルがいた。しかもどこかよそよそしい。

「シャル、失礼だよー!もしかしたら少しふくよかな人が好きな男性なのかもしれないよ?」

「デブ専?」

「ちょっ!聞こえるよっ!ふくよか、ふくよか!」

なるべく視線を合わせないように会話をしていた二人は何処かから聞こえるシャッター音はまるで気に留めなかった。

「ルカ、始まるよ。入場するから、はい。」

シャルナークが手を伸ばす。疑問に思ってルカが周りを見渡すと全ての男女がその連れ合いとれ思われる相手と手をつないでいた。いわゆる、恋人繋ぎで。

「えっ、うそうそ、ホントに?」

「しょうがないだろ、入るまでの我慢我慢。ほら、ね?」


「えっと、嫌とかじゃなくて……うーん、ど、どうしようっ!?」

「悩んでたら疑われるだろ?」

「そ、そうだよね……うん、よ、よし!」

罪悪感に苛まれながらも思い切って
その手を取った。

───フェイタンごめんね!絶対謝ろう、帰ったら絶対謝ろう!

心に誓ってシャルナークと手を繋いだまま会場に入った。

先程シャルナークが小馬鹿にしていたカップルの様にカップルではないのでは?と疑われては仕事がやりにくい。

ルカ達は会場に入るとすぐに警備の位置を確認する。

「ルカ、事前に入手した情報によると、あの背面側の警備員二人が昼頃に交代する、そこが狙い目だよ。」

「わかった!……ところでシャル、このイベントって、何のイベントなの?」

「先日世界的な刀鍛冶屋が作った二刀一対の太刀を使う使い手を審査する為のイベントだって。当然だけど、念が込められてるから二人の息があってないとただの太刀。ついでだから参加してみる?」

シャルナークがにっこり笑う。この笑顔で頼まれるとどうにも断れない。

「やってみようか!太刀なんて扱ったこと無いけど。」

「俺だって無いよ。どころか俺の武器携帯だよ?ルカは身近に刀使うのがいるじゃん?」

身近にいる刀を使う人、の言葉に頬が赤く染まる。

「うん、いるね。そっか、フェイタンの真似してみるよ!」

「ったく、ムカつくほど未だに初な反応するね。」

「ご、ごめん、考えるだけで顔が赤くなっちゃうんだ。」

片方の頬を抑えて嬉しそうにしているルカを見て、思わずルカの手を握る手に力が入る。

───ホント、悔しいけど、ルカが魅力的なのはこうやって一途だからなんだよなぁ。多分。


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