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6

トントン

「そうやってまた博徒を呼び戻して何かしようと……」

トントン

「……なに!?」

くるっと口調を荒くしながら振り返るとフェイタンがクウをジッと見つめていた。

「クウ、レジャーランド、知らないのか?」

フェイタンの低い声にクウは一瞬首を傾げる。

それから
「あ……わ、私また何かはやとちり?」
と練り消しを緩める。

相変わらず博徒や女郎が絡むと感情的になってしまうようだ。それにしてもレジャーランドを知らないとは、と、フェイタンは、クウにレジャーランドとはどういうものかを言い含めた。

「えっと、つまり一般人が色々な乗り物とか食べ物とかショーとかパレード?とかを見たり、食べたり、体験できる興行施設みたいなもの……てこと?」

「そうよ、疑うんなら土地の売買契約書持ってくるけど?」

「………」

練り消しを消した。

「けど、そのレジャーランドに女郎が必要なのか?」
フェイタンが聞いた。それも無理はない。フェイタンが知っているレジャーランドはメリーゴーラウンドや観覧車、ジェットコースターなんかがある施設だからだ。

「だから、そういうレジャーランドにするのよ。施設全体をジャポンの古い建築様式を模して、当時を思い起こすような演劇や食べ物、従業員はもちろん全員着物を着て男性はチョンマゲ。いまそういうの、結構人気があるのよ。ジャポン式って言って。」

つまり彼女は現在は女郎ではなく元女郎、と言う事らしい。そして施設には当然そこにも当時の景色として遊郭があり、彼女を含めた元女郎達はそこで1つのアトラクションとして接待をするのだそうだ。もちろん不健全な者は何もなく、基本的にはジャポン風レストランになるそうだ。
当然彼女と一緒にいた着物の男も博徒などではなく、その施設を建設するに当たり、施設のユニフォームの検証のために着物を着ていただけとの事だった。

聞けば聞くほど聞いているのがバカらしくなってきたのかクウはため息を吐く。

「もういい。帰る。」

くるっと踵を返し、すねたように歩き出す。

「あ、ちょっと!元の場所に戻しなさいよ!」

「はは、大した距離じゃないね。こちはクウのご機嫌直すのに忙しいね。」

フェイタンはそれだけ言ってクウを追いかけた。






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