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5

2人は以前遊郭と、博徒たちがいた屋敷と両方が見える辺りの高い木の上に登っていた。

クウが具現化したものさしの上に腰掛け様子を伺っていたのだ。

そこには確かに目安箱にあった内容の通り数人の博徒の残党ときらびやかな着物に身を包んだ女郎がいた。
それに加えて明らかに工事作業員のような服装の人間も見えた。

「……本当に再生させるつもりっぽいね。」

「それだけ必要としてる上流階級とやらが多いということね。クウ、どうするか?」

「無理やり女郎を集めるような事さえなければ遊郭自体はあっても構わないけど……運営方法次第、かな。」

「どうやて確認するか?」
「……女郎を1人捕まえて聞き出そう。ちょうど良い能力がある。」
クウがはそういって、1度木から下りた。

もう少し近く行くと

「この辺りで良いかな。文明の利器。」
クウが呟くと手元にはうすピンクの四角い板のようなものが現れた。

「なんね、それ……レンガか?」

「まさか。これ、前に露天で見つけた文具で、練り消しっていう伸びる消しゴムなんだって。ヒソカの能力みてこれなら使えそうと思って、バイトしてた。」

クウは手元で練り消しを揉んで柔らかくすると念で強化した上で伸ばした練り消しを女郎に向けて投げた。

「キャ!!」

小さな悲鳴を挙げて練り消しは女郎の帯にピタリとくっつき、そしてクウのほうへと素早く引き戻される。

「な、何よ!あ、あんたたちって……あ、あなた!!」

「あ、覚えてましたか?騒がないでくださいね。死にたくなければ。少し聞きたいことがあるだけ。」

クウは女郎にそういった。女郎はクウが遊郭で大暴れした元太夫であることに気がついたようだ。

「な、なんでしょう?」
「あれは、何をしてる?遊郭跡とか、博徒の住処とか、最近人が入り込んでるって聞いた。何をたくらんでる?」

クウの問いに女郎の顔が一瞬にしてあっけに取られたような顔になった。

「な、なんだい?あなた聞いていないの?」

「何が?」

「ここにレジャーランド作るって言う計画。あたし達だって、あなたが遊郭つぶしちゃったから仕事なくて困ってんのよ。それで1度この辺りを離れてみんなで仕事探してたんだけど、そしたらちょうど広い土地を探してる不動産があってね……」

と女郎は説明をしていたが、クウの練り消しを締める手に力が篭る。

「レジャーランド?それは何!?あんた、わざと私の知らない横文字使ってそうやってごまかしているんだ。」

「ち、ちが……」

きつく締め上げられる身体に女郎の額に汗が浮かぶ。


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