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4

目安箱の中には設置してまだ浅いにも関わらず結構な量の訴状が入っていた。
とはいえ、そこまで深刻な悩みのようなものはなかったが中にはやはり長はチハヤではなく、東や西のどちらかにしたらどうかという意見がちらほらあった。

───うーん、これはチハヤ姉さんには見せられないな。

「フェイタン、そっちは何が書いてある?」

「ま、大半はくだらないやつね。夫婦喧嘩の仲裁を頼みたいとか。けど、これ、見てみるね。」
フェイタンが1枚クウに手渡した。その内容に目を通したクウは目を丸くする。

「フェイタン、これは結構重大かもね。」

結局その1枚位しか大した話はなく、一旦クウ達はチハヤのところに戻る事にした。




「どうだった?」
「あ、チハヤ姉さん、ほとんどは大した内容ではなかったんだけど、これ。

クウが手渡した。チハヤはそれを読み上げる。
「えっと、以前博徒たちが根城にしていた辺りにまた何かの建物が建設中らしい。周囲には残党らしき者もおり、女郎の姿も見受けられた。確認されたし……って、これは……」

「放置はしておけないよね?村人が連れ去られたりはしてない?」

「ええ、してないわ。」

「ってことはその女郎は別の場所から連れてこられたか、私がいた遊郭で働いていた女郎が戻ってきたってことだよね。」

「戻てくるて、皆逃げたんじゃなかたのか?」
フェイタンが聞いたがそれにクウは答えた。

「あの時は逃げた、ってだけだと思う。女郎は皆が皆嫌々やってるわけでもないんだ。」

フェイタンの顔が驚きに変わった。これまでのクウや村から連れて行かれた女郎の話だけでは皆女郎は嫌々やらされているものだと思っていたからだ。

「フェイタン達が普段いるような大都市でも自分から進んで身体を売る仕事に着く女もいるでしょ?それと同じ。特にジャポンの女郎は実入りが良い。客に上流階級が多いから。だから自分から進んでその世界に飛び込む奴も多いんだよ。多分そういう女達が戻ってきてるんじゃないかな。」

「いずれにしても確認してくる必要はありそうね。」

「なら私とフェイタンで行ってくるよ。団員達は好きに使って。」

クウが言うとチハヤは笑って
「わかったわ、それじゃ2人は偵察お願い。」
と言って2人を見送った。

村を出る途中フェイタンはクウに聞いた。
「あの後、遊郭はどうなたね?」

「時折東から届いてた手紙だと建物も結構壊したし、血痕も残ってたしで警察が来てたみたいだけど、それも数ヶ月で終わって、後はそのままになってるって聞いた。」

「そのままて事は直したりはしてないて事ね?」

「うん、だと思う。あいつら、それを立て直そうとしてるのかも。また、遊郭を再生させようとしてるんだ。」

「ま、とにかく急ぐね。場合によっては始末するね。」

「そうだね。」

2人は加速した。


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