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3

「は〜ジャポンってのは面倒くせぇ民族だなぁ。んで?じゃあどうすんだ?そのミヤダイクってのが来ねぇとダメなんだろ?」

ウボォーギンが言うとチハヤが
「明日にはどうにか1名来てくれるそうです。あと村人の中にも昔宮大工に弟子入りしてこっそり各地の神社を荒らしてたものがおりますのでその者にも今協力してもらって材料を集めています。」
と言った。

「それじゃあ私たちは何を手伝う?木を切ってくればいい?」

「そうですね、それじゃあ来てもらったばかりで申し訳ないけれど、空様はまた1度村に戻ってもらって、村の中心に目安箱を設置してあるからその中身を回収して来てもらえる?他の方は木を切ってきてもらえると助かります。出来ればケヤキの木を。」

と言った。

「わかった。えっと……」
クウは思わずフェイタンを見る。その様子を見て他の団員は
「あ〜いい、いい、クウはフェイ連れてけよ。木は俺らで切ってくるからよ。」
とフィンクスが言った。

瞬間クウの表情がぱあっと明るくなる。

「ったく、お前なぁ。露骨過ぎて悲しくなるぜ。」
ノブナガが後ろ頭を掻きながら言って、それでもクウの背を押して、フェイタンと共に再度村へと戻るよう促した。


村へ戻りつつクウは
「ねえ、さっきのノブナガの言葉の意味ってどういうこと?何か悲しませた?」
とフェイタンに聞いた。
フェイタンは思わずクウを凝視した。だが、すぐにそういえばクウはそういうことに非常に疎いのだった、と思い出し、事細かに説明した。

とはいえ、それを説明するのはフェイタンにとってかなり恥ずかしい事だったが。

「……そうか、私がフェイタンと一緒にいられるって言われて嬉しそうにしたからノブナガ達は自分達が邪魔者みたいに思われたってことか。うん、納得した。」

また1つ利口になった、と言わんばかりのクウの反応に呆れつつもそんなところも愛おしいと思った。

「ところでクウ、メヤスバコて何ね?」
先ほどチハヤが言っていた事が気になり聞いてみると今度はクウが驚いた顔をした。

「あ、そうかジャポンっていうかこの地域特有なのかな?目安箱っていうのは、皆の意見とか訴えを集めるための設備で、ここをこうしてほしいとか、ああしてほしい、とかまあとにかくそういうのを集めてる箱。随分昔にヨシムネとかいう将軍が設置してから有名らしいよ。」

「用途はわかたけど、こんな小さい村なのに必要なのか?」

「小さいからこそ、だと思うよ。それにチハヤ姉さんはまだ長として浅いから色々聞いてるんだと思う。」

「はは、若い長は大変ね。」
と自分の徒党だって十分若い頭なのにフェイタンはそう言って笑った。

もちろんチハヤはただ若いというだけではなく、元々敵だった事もあり、中々祖父のようにはいかないのだろう。
もしかしたら今でも頭として認めていない者もいるかもしれない。


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