予感
体育館にかわいい声が響く
「今日から三軍マネになりました、柿根千埜です!よろしくおねがいします!」
ざわざわと皆がしてる。まぁ内容はかわいいとかかわいいとかかわいいとか。うん、あれはかわいい。
今頃入部なんてってことは特にめずらしくなくて、実はこの間もマネ希望の子が入ってすぐやめていった。
理由は皆同じ、一軍担当になれないから。
「じゃあ午後練をいつも通りの練習試合メニューで。」
赤司が声をかけ、皆はばらばらに散る。
今回の子はなんとなく続きそうな気がするな
「きたかぜ」
「ん?なに?」
私も持ち場に行こうと歩き出したら赤司に呼び止められた
「柿根に教えてやってくれ。」
「うーんいいけど、なんか三軍の方々が教える気満々みたいだよ・・・?」
ほら。と指を指して教えてあげればため息。
「・・・はぁ。そこはお前がしっかりしてくれ」
「はーい」
「なにかあったら言ってくれてかまわない」
「はいはい」
「本当にわかってるのか?」
「わかってるよ?」
「・・・」
「もう!そんな疑うような顔やめてよ、大丈夫だし!」
私だってもうマネージャーと名乗っていいくらいは仕事できるのに!
遠くから赤司の名前を呼ぶ声が聞こえた。赤司はじゃあまたあとでと言い残し、歩いていく
私は改めて三軍の皆とあいさつをかわしながら柿根さんの所へ向かい、柿根さんを囲んでいる人達に呼びかけた
「皆ー練習しないと赤司に後で扱かれるよー?」
「「「ヴっ・・・」」」
「いいの?」
最後に皆扱かれたいなんて、どMだねぇと付け加えて言ったら最近きたかぜちゃんが赤司みたい!赤司Jr.か・・・!っていいながらさっさと練習に戻った。最近扱い方がわかってきた気がする(赤司Jr.って私女なんだけどな)
「あ、柿根さん、三軍マネージャーとして、よろしくね」
「あ、先輩今日から宜しくお願いします」
やっぱりいい子っぽいな、よかった
少しだけ、ほんの少し。それはもう少しといっていいくらいかわからないくらい少しだけ、嫌な予感がしてたんだけど大丈夫そう。
今回の子は三軍を支えてくれたらいいな
「ところで先輩、赤司先輩って付き合ってる人いないんですか?」
前言撤回。・・・嫌な予感はしてたんだよね。
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