傘
花粉なくなったと喜んでいるのもつかの間、
時期は梅雨。
髪の毛がうねうねしだす時期。
天気予報で"午後からは雨が降るでしょう"
なんて言ってたから
傘だけは忘れないようにしよう傘だけは忘れないようにしよう。
って唱えてたら傘を忘れた。
自分のこと馬鹿ってわかってたけどここまで馬鹿だったとは・・・
この雨でどうやって帰ればいいの…
走るのもなぁ
でも止むのを待つのもねぇ
…いっそ雨が止む儀式をする……?
なんてどうすれば濡れないで帰れるかなんて無理なことを考えていたら後ろから溜め息混じりな声。
「はぁ、朝から天気悪かったのに傘忘れたの?」
振り返ると絶対王政赤司様だった。
「わすれてないし」
明らかさまな嘘をつく私に
「そう、じゃあ俺は帰るよ」
と、傘を広げ歩き出す赤司。
私が嘘ついてるってわかってるくせに。
入れてあげるよとかないのか貴様。
意地でも傘忘れたっていわない!なんて一人で意気込んだ私に呆れたように振り返り、一言
「ほら、早くおいで」
なんて。
そんなこと言われたら入るしかないじゃんか。
「赤司って罪だよね」
ぼそっと呟き、赤司を睨めば
私の気持ちを見透かしたように笑った
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