黄色



朝練が終わり二人で自分達の教室に戻る中
さつきちゃんが高いテンションで話しかけてきた

「ぽてこちゃんモテモテだったねー!」

…目の前の美人さんにそんなこといわれても、ねぇ?

「そんなことないよ、あれはモテモテというのとは何か表現が違う気がする…」

「ほらまた謙遜する!」

「…私そんなに謙遜してたっけ…?」


本心を言ってるまでで、全然そんなつもりはないんだけど。でもそう言う風に言われるってことは私の性格に問題があるってことなのかな


「してるよ!もしかして…無自覚……………あ、ところで明日からマネってことだけど、今日の放課後の部活見にくる?」


「あ、うん行く!っていうか行こうと思ってたんだ〜」


明日からマネよろしくなんて言われても、どんな仕事するのかよくわからないし、さつきちゃんの側で見学させてもらおうと思ってた所。

「本当?!やったあ!」

よろこぶさつきちゃん。
本当かわいいなぁ。本当私が養ってあげたいよ。
さつきちゃんのことを娘を思う父親のように見ていたら後ろから声をかけられた

「あ、いた!桃っち!ときたかぜさんもいたんっスね」

なんだそのとってつけました的な感じは。
私はおまけか、おまけなのか
まぁなんでもいいけど。

「きーちゃん!どうしたの?」

「桃っちに頼みがあってきたんスよ…一時間目数学で教科書忘れちゃったんで貸してくんないっスか?」

「いいよーちょっとまってね教室にとってくる」

教科書借りにきたのか…この人ならそこら辺の女の子捕まえて言えば一発で借りられると思うのに。

パタパタと先に行っちゃったさつきちゃん。
あれ?この状態って、黄瀬涼太と二人きり、と。

「………」

「………」

やばなにこれ気まずい!
なにか喋った方がいいのかな?
ちらっと黄瀬涼太を見ると目があった
なんとなく会釈してみた
変な目でみられた

「……………」

「……………」

「……あの、」

耐えられなくなりなにか話そうと口を開いたら黄瀬涼太が私のその勇気を出して発した一言に被せて話してきた。

「もし赤司っちとかに近づきたくてマネージャーになったんなら迷惑なんでやめてほしいっス」

……突然の威圧的な発言にびっくりした。

いやでも実際あなたが原因なんですけどね
あそこでバレなきゃならないですんだのに。
…まぁバスケ部を覗きに行かなかったらあんな風にはならなかったと言われればそれまでなんだけど。

「中途半端だと俺にも迷惑かかるし」


……"俺に"か。わかりやすいな、嘘ついてるって顔にでてる。
確かに黄瀬涼太にも迷惑はかかると思うけど
"俺に"よりも三軍の人達のことのくせに。


「…私は三軍のマネージャーです。私は私の仕事を頑張るし、その仕事を放棄したりはしないから、」

本心を伝え、

「…………」

「心配しなくても大丈夫だよ?」

見透かしたように笑ってみせる
多分、今までのマネはきっと赤司とか青峰とか黄瀬に近づきたくて入ってマネージャーという仕事を放棄してたんだろうな。

そんな気がする。



「っ、それなら…いいっスけど…」


黄瀬涼太の反応からして多分やっぱり私の憶測はあってたんだ。きっと今は皆への優しさがバレて少し恥ずかしいそんな感じかな?



「私は三軍マネで一軍とは少し遠いけど、よろしくね」

改めてあいさつするのも恥ずかしいけれど、
部員としてちゃんと挨拶しておきたい。

「…赤司っちが気にいるのも分かる気がする…」

「…え、」

「なんでもないっス!これからよろしく、きたかぜっち!」

そう言う黄瀬涼太はさっきの雰囲気とは違いなんだか犬みたいだった。ん?ていうか、きたかぜっち?

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