季節はずれの階段を駆け上がる音。
これはきっと、黄色い頭のモデルさん。
私の初めて好きになった人。
そして、一番の友人。

「ぽてこっち〜!」

キィと古びた音をだしドアが開き、
黄色い頭が喋る。


「やっぱり黄瀬だ。なーに?」

「やっぱりってなんスか…!
まさか、俺に会いたかった…とか!?」

「あーはいはい。
授業サボって何しにきたの?」

「サボりじゃないッス。自習だったから…!」


それをサボりというのをわかってる?
まあいいか、私も暇してたしね!


「で、本題なんすけど、
ポッキーゲームしよう!」

「え」

「ポッキーゲーム!」


いや、ポッキーゲームはわかるよ?
それに対しての「え」じゃなくて、


「なんでまたこんな季節はずれに…」

「そこは、聞いたら負けっス」

「んーまぁ折るからいいよー」

「ひどい!」


だって、仮にも私は黄瀬が好きなわけで…

ん??あれ…?
折るっていったら「ひどい」って言ったよね?
それってどうい…う…………違うか。
黄瀬にとってここまで心を開いてる女の子は
私しかいないからだよね。

「じゃあー折った方の罰ゲームは、
好きな子に告白で」

「…え?」

「告白っス!」

え…?え…?
話が、掴めない

「な、んで…?」

私に好きな人いること、言ってないよね…?
しかもなんでよりにもよって告白なの…?
それって黄瀬に好きな人がいるってことに
なるよね…?

ってことは、私が折っても、
黄瀬が折っても…


「なんでも!」


どちらにしろ私、失恋じゃん…か…


「はい、ぽてこっち!んー」

「え、あ……ん、」


うわぁあ反射的にポッキーくわえちゃった…!
どうしよう、私が折る?!いやでも
折られるのをまつ…?!

あーもう!どうにでもなれっ
ぎゅっと目を瞑る


ポキッ


あ、折れた…?
ゆっくりと目をあける


「〜〜〜っ」


と、目の前にはゴロンゴロンしてる黄瀬の姿


「…き、黄瀬…?」

「ぽてこっち…!」

「は、はいっ」


名前を目の前で呼ばれなんとなく敬語で返事をする


「あーもー!なんでそんなにかわいいわスか!!」




「……は?」



え?何言ってるのかな黄瀬は。


「まじもう無理、あー折らなきゃよかったかも…」


え?え?話がぜんぜん掴めない事二回目。


「賭けてたんっすよ。折られたら、好きな人が別にいるってわかるし。」

「…賭、け……?」

「ぽてこっち、たまにすごい乙女な顔するし、俺こんなにアピールしてんのにまったく気づいてくんないし…」


あ、ようは黄瀬は私のことが好き、と…
好き…?
好き………?!!


「?!!」

「あははっすごい顔真っ赤。」

「え、だって、えっ」

あの黄瀬が、私を……
信じられない…

「俺、折っちゃったから、罰ゲームしなきゃっすね。」

そんな、罰ゲームなんてしなくたって、
答えは決まってるよ


「俺、ぽてこっちのこと、好き。大好きっす。
こんなズルいことしてしか告白出来ないけど、
俺と、付き合ってください」

私も大好き

「はいっ…。私と、付き合ってやってください…っ」


そういうと、なんすかそれっなんて
照れくさそうに笑う。


たまにはこんなゲームもいいかもしれないね。




季節はずれ


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