「僕、あなたのことは嫌いです」

「……え?」

さっきまで笑っていたこんそめさんの顔がひきつる。

「なん、で…?」

今にも泣き出しそうな顔。
なんでそこまで悲しそうな顔をするんだろう、ただの僕の嫉妬だというのに。

「他の男の話を楽しそうにするあなたを
嫌だと思うなんてあたりまえじゃないですか」


「……て、てつくん……」

「はい?」

こんそめさんは立ち止まり、スカートの裾を握り、僕を睨む
そして大きく息を吸い込み、

「紛らわしいよ!」

一気に吐き出した。

「え?」

「え?じゃない!!最初"僕、あなたのことは嫌いです"…なんて言われて本当…もう!本当に……本当に………ダメ、かと思っ、て、……っ…」

最初は強気だったのにどんどん涙声になり結局泣いてしまったこんそめさん。
声を出さないように
下唇を噛んでてかわいい。

彼女の背中をなだめながら、
話の内容で気になるところがひとつ。

「僕、あなたのこと嫌いですっていいましたっけ?」

「言った…思いっきり言ってたよ…」

……………そういわれれば、そう言ったような気もする。

「すみません、
他の男の話を楽しそうにするあなたのことは嫌いって言ったつもりだったんですけど」
 
「最初からそうちゃんと言ってよ……もう…」

ぺちっと弱く頬を叩かれた。
地味に痛い

「すみません。だけど僕はずっとあなたが好きですよ」

不安にさせて申し訳ないと思い、
唐突に言葉を伝えれば頬を染め、
睨みながら頬をつねられた。

それすらも愛しいと感じてしまう僕は重症なんでしょうか


言葉足らず


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