高尾和成。

クラスのムードメーカーみたいな人で
変わり者と言われている緑間真太郎と一緒にいる人

昼休み、クラスで仲いい友達に"高尾くんのことどう思う?"と聞かれた私は

「…なんか、軽そう…かな。」

正直な感想を述べた。
その言葉には続きがあったんだけれど
続きをいう前に本人に聞かれ、
告げられた言葉は

「ふーん…こんそめさんって見た目で判断しちゃうんだ?」

だった。
私の考えを哀れむように笑い、
私の横を通り過ぎていった高尾和成の横顔は悲痛な表情だった。

なんだか誤解させちゃったみたい。
友達にちょっと追いかけてくると伝え、廊下を走る


「高尾和成くんっ」

「なに?」

彼は少し驚いた顔をした。
…とりあえず呼び止めてみたけど、なんていったらいいんだろう…
あ、さっきの続きを伝えればいいのか

「さっきのにはね、続きがあるの」

そう言えば、期待と不安が混じるような表情。

「第一印象は確かに軽そうな人だなぁ。だったんだけど、えっと」

「うん」

さっきの続きといっても
いざ本人を目の前にすると頭の中は真っ白

「実はすごく周りを見てて、人の表情とかに敏感だし、」

「……うん」

とりあえず思ったことを伝えてみる

「友達が悪いことしてたらちゃんと怒ってあげられて、優しくて、」

「…………うん」

あれ…?私、

「高尾和成くんのこと、好き…なのか……」

そういい高尾和成くんを見ると、いない。
と思ったらしゃがんでいた

「え、あの…」

高尾和成くんは顔を隠ししゃがんだまま、

「もーーー」

と唸りだした。

「本当こんそめさんは毒。」

「?!毒…?」

毒とはどういう意味なんだろう、
考えてもよくわからない

「俺さっきめちゃくちゃへこんだんだからな…!」

「あ、ご、ごめんなさい…!」

「……しかもなに…さっき好きって気づきましたみたいな………」

そういい隠していた顔をあげ、
睨むように私を見上げる。
自分で自分の言ったことを思い返してみる

"高尾和成くんのこと、好き、なのか……"

「…………!!!」

「顔赤いけど」

ぽぽぽぽぽっと熱と汗がじんわりくるのがわかる。
穴があったら入りたいとはこのこと

「わーー忘れて!!忘れて下さい…!」

今度は私が顔を隠す番

「忘れる訳ないじゃん」

ニヤニヤと笑って言ってるのが見なくても想像つく。
いてもたってもいられなくなった私は急いで踵を返す。

が、バスケ部の彼から逃げられるなんてありえるはずもなく、ぐいっとひっぱられ後ろから抱きしめられる。

「逃がさないから」

耳元で発せられるその声は真剣で、
私の心拍数は泣きそうなくらいふりきっていた。


二人の距離はあと一歩


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