赤司が京都の高校に行くって友達から聞いたとき、
驚くよりも先にやっぱりなと思った。

ずっと見てきたから。

「赤司、」
「なんだ」
「赤司くん」
「なに」
「赤司ちゃん」
「……言いたいことがあるなら言え」

言いたいこと、
そっか言いたいことがあるから呼んだんだった

「私ね、東北の学校行くの」
「………そうか」
「っていうのは嘘なの」
「………」

ふざけんなと言わんばかりの目力
さすが赤司様と言われるだけあるよね
とりあえずごめんなさい。
赤司様の目が怖いからそれを避けるようにこの約二年間と11ヶ月を思い返す

二年間で赤司のことたくさん聞いた。
好きなもの誕生日好きな言葉友達部活

それでも知らない部分がまだあって、
二年じゃたりないわけで、
私はもっと知りたくて、
赤司の特別になりたくて

「ねぇねぇ、赤司はさ、」

私といて楽しい?
私のこと好き?

「京都…行ってもやっぱり上手くやっていけるんだろうね」

そんなことは言えなくて、違う言葉で紡ぐ。

こんなことが言いたいんじゃないのに。
自分の行動力のなさに情けなくなって涙がこぼれそう。
そんな顔を見られたくないから下をむくと
赤司が

「言いたいことは他にあるんだろう?」 

と優しく言ってくれた。

「僕が受け止めてあげる。だから全部言いたいこと言ったらどうだ」

赤司の声が耳に響く

「……離れたくない…」

第一の私の本音だった。

「好き、ずっと好き…ずっと赤司の特別になりたかった…」

これも第一の本音
その本音に対し、赤司も答える

「過去形なのか?」
「え?」
「僕は今でも特別にしたいと思ってるけど、ぽてこは違うのか?」
「……え」

特別に…したい………
特別……………特別…特…別…?!

「おいで」

そういい、両手を少し広げる赤司。

「え…?!え??」

おろおろしながらも近づく
あと50pのところで赤司の腕の中に包囲された。

「あか、し…?」
「……」
「…これって期待してもいいの?」
「期待?さっきも言っただろう?僕はぽてこのことを特別にしたいって。通じなかったのか?」

通じました。

「赤司、好き」
「そんなのとっくに知ってるよ」

抱きついてるから顔は見えない
お互いの心臓の音が心地いい
赤司は一回ぎゅっと力を込め、少し離す
そして

「僕の方が先に好きになったんだから、」

「ぽてこの好意なんてすぐに気づいたよ」

と。

そう言った赤司の顔は久しぶりに見た笑顔で、この人の笑顔にもう一度一目惚れした。


夕方サイダー


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