意欲関心態度A






「いけっ!ヒロト!」


ゆいさんのものらしき声が部室裏からしたような気がするから興味本位で覗いてみた。ゆいさんとはヒロトさんと仲がいいからもしかしてなんてワクワクしながら。部室裏には確かに二人はいた。いたんだけど。
ヒロトさんが四つん這いになっていた。その上にゆいさんはまたがって太めの木の枝でヒロトさんの太ももやらお尻やらをばしばしと叩いている。進めー!ヒロトさんに命令するゆいさんはヒロトさんの後ろ髪をむんずと掴んでいる。一体、なにしてるんだろう。ラジャーなんてヒロトさんが声をあげたことからすれば双方の合意の上のはずだ。なんだか二人とも凄く楽しそうだ。ゆいさんがヒロトさんを打つ度にヒロトさんは痛いはずなのになんだか凄く嬉しそうな声をあげている。普段より声はワントーンほど高くなっていて、なんだか息遣いが荒いような。ちらりと見えた太ももにはミミズ腫れの跡があった。いいよゆいちゃんもっと俺を叩いて!ゆいさんも見たこともないような笑みを浮かべていてなんだか羨ましい気持ちになった。二人がしていることがなんであるか、どうしてしているのはちょっとわからなかったけれどやってみたくてうずうずした。
ゆいさんとヒロトさんということは伏せておいたがさっき見た内容と面白そうだと思ったことをお兄ちゃんに言えばどこでだれがそんなことを!と凄い勢いで吐け!吐くんだ!と肩を掴まれる。がくがくと揺すぶられた。違うものが吐き出されそうだ。お前はそんな世界知らなくていいんだ!……なんで泣いてるのお兄ちゃん。いいか!忘れるんだ!お前はなにも見てはいないんだ!いいな!焦るお兄ちゃんの有無を言わさない態度にうんと答えるしかできなかった。ゆるさんぞ!お兄ちゃんが声を荒げる隣でぶうん、パソコンを起動した。それがどういったものか知るのにあとすこし。興味があるものはとりあえず調べてみるんです。お兄ちゃんには悪い気もするけどヒロトさんがそちら側でゆいさんがあちら側だということはとりあえず理解できました。ぱっと見、反対に見えるんだけどなあ。
後でこっそりと二人がいた場所を覗いてみたけれど、当たり前か、ゆいさんとヒロトさんの姿はなかった。ちょっとがっかりした、なんて。





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春菜(漢字合ってる?)視点。あちら側こちら側とはただのS極とM極の話です。なんかだれ夢かわからんぞ!ゴーグルマントシスコンお兄ちゃんは勝手に出てきました。未知の世界の開拓授業ですね!パスつけるほどのもんじゃないよね。



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