私はマルコのことが好きだ。しかしマルコは私がフィディオを好きだと勘違いしてらっしゃる。なんど訂正を申し出ても照れていると勘違いされる。話が通じない。話をきいてくれない。確かに私とフィディオは仲がいい。よく話す。けどその内容の九割ほどはマルコの話で相談に乗ってもらったりとかそういうの。フィディオは好きだけどマルコに抱く気持ちとは少し違う。友達としての好き。友達としての大好き。フィディオはわかってくれたのにマルコはわかってくれない。ノロケ話はききたくないってそうじゃないのに!必死になればなるほどマルコとの溝は深まっていく。でもどうしてもフィディオが好きという誤解だけはといておきたくて。けど、いつもいつも失敗に終わる。最近は避けられはじめた。フィディオのところに行けば、冷たい声に帰って泣いた。目を腫らして涙が枯れるまで泣いた。しばらくオルフェウスの練習を見に行くことができなくなった。その間、フィディオから大丈夫?なんて優しさ満点の届いていたメールが私の心の支えになった。でもそれでも変わらず私はマルコが好きだった。また練習見においで、フィディオのメールにまた泣いた。フィディオフィディオフィディオ、彼ばかりなのは彼以外に特別仲がいいと言える相手がいないから。オルフェウスの人たちとは一応全員とは話したことはあるけど仲いいとまではいかない。メールアドレスもフィディオのしか知らない。マルコのことを相談できる相手もいない。だから必然的に、フィディオとなってしまう。フィディオは沢山相談に乗ってくれる、できる限りの協力をしてくれている。そのお礼を兼ねて食事に誘ったら運悪くマルコに遭遇してしまった。違うの!……デート、ね。だから違うの!別に今更隠さなくても。マルコ、違うんだ、俺たちはそんな関係じゃ。そんなフィディオの言葉も流されてしまう。フィディオは後から謝ってくれた。ごめん、俺のせいで、って。でもフィディオのせいなんかじゃない。フィディオを誘ったのは私。どうしてこうも上手くいかないんだろう。


「あ、あの、」
「……フィディオならあっち」
「え?」
「フィディオに会いにきたんだろ」
「そうじゃないよ」
「なんかさ、お前ら見てたらイライラする」


オルフェウスの練習を見にやってきた。そのはずだったが練習前出くわした、フィディオを見にきたと勘違いするマルコの言葉によって私は練習を見るどころではなくなってしまい、とぼとぼと帰宅。膝を抱えてまた泣いた。フィディオに送った練習見に行くね、って約束を破ってしまった。もうマルコへの気持ちはきれいさっぱり捨ててしまったほうがいいのだろうか。そっちのほうがいいかもしれない。今の今まで頑張ってきたけど気持ちは届くどころか遠ざかっていく。ぷるるる、電話が鳴った。フィディオからだ。ぐっと唇を噛み締めて決意する。


「私、マルコのこと諦めることにする」


電話の向こうからはフィディオの戸惑いの声が聞こえた。





!!!!!
つづく。

イタリアの皆の口調がわからない。



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