エンドレス




突然だが私は彼女が俺以外の異性と仲むつまじく接している様子を見れば苛立ちを覚えるし、要するに嫉妬心というものを不本意ながら抱いてしまう。だがそれは当たり前のことだと思っていた。誰に尋ねた、とかそういったわけではないのだが嫉妬という感情は表に出す出さないにしろ、誰もが持ちえるものだと思っている。私はどちらかと言えば自分が嫉妬という感情を表に出すことに否定的な立場だ。自分の気持ちを押し付けたところでそれは彼女への重みになるだけだと思うからだ。そうじゃないと思う人も中にはいるだろう。それもいいと思う。それこそ答えは人の数ほど存在する。さっきのはあくまでも私の意見であって誰かに押し付けようとも正しいのだと主張する気はまったくもってないのである。


私の彼女もまたそうだった。好きだと主張することも、めったにない。ワガママだと思い口にすることはしないけれど自分が嫉妬心を表に出すことを嫌う癖して、私は彼女に嫉妬をしてほしいと思っている。彼女もあまりそういった類のものを表に出すことをしない質で例えば私が女の子と二人で遊びに出かけようとも、ああそう、で終わらせてしまうような人だ。まあこれはあくまで例えであり彼女以外と二人きりで遊びに出かけたこともなければするつもりもないのだが。ならばなぜわかるのか。彼女の元恋人だと自称する男が言っていたからである。自称だから信じる必要もないのだがああそう、と言う彼女の姿が妙にリアルに脳裏に浮かび上がってなんとも落ち着かないのである。


ゆいには男友達が多い。友達、でありそれ以上の感情は互いに抱いてないことは重々承知なのだがそれでもいい気持ちはしない。……ものの、そんなこと口にするわけにはいくわけもなく、もやもやを私はずっと抱えたままでいた。



「ゆいは不安じゃないの?」
「なにが?」
「彼氏の浮気とか」



彼女と彼女の友人との三人で帰るというなんとも場違い感がひしひしと伝わってくるなんとも言えない機会があった。そんな話は私のいないところでしてくれと思いもしたが耳は完全にそっちの会話を一言も聞き漏らさないように勝手にそばだつ。いつもの調子で軽く流すんだろうと軽く諦めのような複雑な心境でいる私の耳は意外な言葉をとらえることになった。



「治は私のことが大好きだからね、なにも心配ないよ」



照れもせずしれっと言い放ったもんだから一瞬時間が止まったのかと思った。彼女は冗談をそうそう口にするタイプではない。なんだか色々と考えていたのがバカらしくなった。間違いではないけれど、人間の心情は複雑に入り組んで難しいと思った。その後彼女に、ちなみに私も治が誰よりも好きだよとすこし恥ずかしそうにはにかみながらと耳打ちされた際は流石に照れた。




!!!!!
嫉妬的ななにかはあんまり意味がなかったように思ったが気にしない気にしないタイトルも気にしない。おさーむさま好きよ。




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