肘をついて目の前に座っている一人の男の子の背を見つめた。さらさらと伸びる銀糸が太陽の光を反射してきらきらと輝いてまぶしい。それはどんな宝石よりも美しくて価値があるもののように思えた。

授業中にもかかわらず楽しそうに隣とおしゃべりをするその姿が私をよりいっそう惹きつけていることを、あなたは知らない。とくとくとくと苦く痛むのは私だけ。ふわりふわりと開け放たれた窓から吹き込む風が銀を舞い上がらせる。綺麗、ただそれだけだ。それ以外に言葉が見つからなかった。

うわああ……、と感嘆のため息が漏れた。それはすぐ風によってかき消されて私以外の誰にも届くことはなかったけれど。それでもしばらくの間は私の周りをぽよぽよと跳ねながら飛びまわっていた。


ころりと足元に転がってきた一本のシャープペンシル。拾い上げればワリィなと笑う佐久間くんがいた。
はい、とそれを佐久間くんにと手渡す。佐久間くんは受け取るとすぐに友人に向き直ってしまったけれど、佐久間くんが一瞬でもいい、他の誰でもない、この私に話しかけてくれたという事実がたまらなく、嬉しかった。






桜色回路




自分のシャーペンにこっそりと口付けた。自分のシャーペンを通じて、佐久間くんに伝わればいいのに。そんなバカみたいな思いを抱いて。





!!!!!
あえての短いの。佐久間の髪の表記を水色にするか銀色にするか迷ったが好みで銀色になりました。銀髪大好きだ。あと改行を増やしてみた。




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -