照美ちゃんの髪の毛ってすごく、すごく綺麗だと思う。風丸くんとかの髪の毛もキューティクル整ってるし綺麗だとは思うけど、照美ちゃんの髪の毛はそれ以上のものだと思う。贔屓目とか補正がかかってるとかも十ニ分に考えることができるけど、道行く人たちに照美ちゃんの髪の毛どう思いますかと尋ねれば十人が十人綺麗だと口にすると思う。日の光を受けて輝くあの天使の輪とかもう犯罪だと思う。綺麗過ぎる罪。髪の毛だけじゃなくて容姿まで整ってるからな、照美ちゃんって。男の子のくせに女の子よりも抜群に綺麗ってどうなの。同じ人間なのか疑いたくもなる。照美ちゃんには悪いけどちょっとむかついちゃったり、妬いちゃったり。でもまあ要するにそんな照美ちゃんが私は好きだってことなんだけど。



「照美ちゃん照美ちゃん、髪の毛結わせてくれない?」

「なんでまた急に?」

「照美ちゃんの綺麗な髪の毛見てたらね、触りたくなったんだ」

「別にかまわない、けど」



さらり、透き通る柔らかい照美ちゃんの髪の毛が指のすり抜けていく。くすっぐたいな、と笑みを零す照美ちゃんの髪の毛からはどこのメーカーまでかはわからないけれどふんわりと心擽る甘い香りが漂ってきた。どうしようっかなあ、と呟けば照美ちゃんが何がと顔をあげる。輝美ちゃんってどんな髪型でも似合いそうだよね、鏡の中の照美ちゃんと目が合った。ちなみに場所は照美ちゃんのお家で照美ちゃんのお母さんは照美ちゃんと同じく綺麗だ。すごく似ていて私のお母さんも照美ちゃんのお母さんみたいに綺麗だったらよかったのに、思わずにはいられなかった。中学生の息子を持つ身には見えない。はじめて会ったあの日、照美ちゃんのお姉さんですかと尋ねた私に隣にいた照美ちゃんがお腹を抱えて笑っていたっけな。照美ちゃんのお母さんはすごく喜んでくれたけど。



「これ照美ちゃんのシュシュ?」

「うーん、まあ」

「照美ちゃんも買うんだね?」

「僕が買ったっていうか……、それ姉さんがさ、お土産とか言って買ってきたものなんだよね」



可愛らしい水玉のシュシュを発見。照美ちゃんのお姉さんは写真でしか見たことがないけどこれまた美人さんだった。お父さんも綺麗な人だし、亜風炉家は美形ぞろいだ。美形の遺伝子は確実に引き継がれていっていることは目に見えてわかる。……なんか私一人浮いてないか?


照美ちゃんの髪の毛を高い位置できゅっと結ぶ。名前ちゃんって、意外と器用なんだね、……この際聞かなかったことにしておいてあげよう。鏡に映る照美ちゃんはある程度予想はしていたがその予想をいい意味で大きく裏切る結果となって嬉しいのやら悲しいのやら。もう女の子やめようかな、なんて思えてくるんだから不思議だ。女の子よりも女の子、それでいてちゃんと男の子らしいところも備え持っている照美ちゃん。照美ちゃんの存在は反則ものだと今更ながら気付かされた。ほんっと、照美ちゃんはずるいや。


くやしいからちょっとした意地悪。照美ちゃんのせくしーなうなじにちゅっと口付ければ一瞬にして照美ちゃんの頬に赤みがさした。





!!!!!
照美が好きだ。某歌を参考にしたわけではありません趣味です。




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