「おはよう、名前」

「マーク?あれ、練習は?」

「今日はオフだよ」

「そっか、珍しいね」

「だから今日はずっと名前といられるよ」



日曜日の朝、朝食をとり、ごろごろしているとインターフォンが鳴った。アンタ出なさいと母の声が飛び、しぶしぶながら誰だろうと玄関の扉を開けばいるとは考えもしないマークが笑みを浮かべながら立っていたので面食らう。どうやら今日は本当にオフらしく名前と一緒にいたくてきたんだ、と口にするマークにマークくんよくきたわね!と私に照れたりする暇も与えず、どこからともなく現れた母がどうぞと中へと促し、案内する。それ私の役目なんだけど。私は玄関にぽつんと取り残され、我に返ったあと二人の背中を慌しく追いかけた。
マークは母の大のお気に入りだ。そんな母はよく、あと二十年遅く生まれていたらな、マークくんを名前には渡さないのにと冗談を口にして父を困らせている。マークも冗談だとわかっていながらも困り顔だ。私を差し置いて母と談笑するマークの腕を掴んだ。そういうわけだから、とマークの腕を引き部屋へと続く階段へと向かえば母に告げれば母の表情は驚いたものから優しいものへと変わっていった。



「母さんには困ったもんだよ」

「でもオレは名前のお母さんのこと結構好きだよ。面白いし優しいし」

「私より?」

「いいや、名前が一番だ」

「うん、知ってる」

「名前は?」

「私もマークが一番に決まってるでしょ」



部屋へと入りぽすんと私に身体を預けるよう倒れたマークはやっぱり名前のそばがいいなと大きく息をはきだしながら目を閉じる。名前が家にいなかったらどうしようかと思った、と安心したようにこぼすマークに電話とかメールとかで連絡してくれたらいいじゃん、と返せばそんな簡単なことも思いつかないほど早く名前に会いたかったんだと抱きしめられた。愛いやつめ。最近忙しくて名前との時間がとれなかったからね、と擦り寄るマークのもこもこした髪の毛に触れれば名前、とマークが私の名前を呼んだ。見据える青い瞳に私の姿が映し出される。



「好きだよ、マーク」



頬を赤らめて愛しそうに笑うマークの唇に軽く触れればマークもお返しにとばかりに私の唇へと噛み付いた。






!!!!!
短い。スランプ。



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