8
目が覚めると翌朝になっていた。昨日の事を思い出す。
『はぁー、私昨日松田に最低な事しちゃった。嫌われたかも』
携帯を開くと、松田からの着信やメールがきていた。“今どこにいんの?”“ちゃんと寮に帰ったか、心配だから連絡しろ”勝手に帰ったのになんでそんな優しいのよ。
萩原からもメールがきていて“陣平ちゃんとなんかあった?すごく心配してるから、連絡してあげて”と。今日この後学校で会うし、返信はやめた。
寮を出て教場までの足取りが重い。松田に会ったらとりあえず謝らなきゃと思うものの、あんな告白みたいな事を言って少し気まずい。教場まで来るとドアを開ける手が震える。落ち着け私。覚悟を決めていざ開けようとした所で、急に後ろから声を掛けられてびっくりする。
「ごめん、脅かせるつもりは無かったんだけど」
後ろを振り向くと萩原がいた。
『萩原……』
「おはよう、みょうじちゃん」
『おは、よう』
「まだ授業まで時間あるし、ちょっと中庭で話さない?」
『うん』
私は萩原と中庭に向かった。
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