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そろそろ時間になり、二次会に行く人と帰る人で別れた。ちなみに萩原は二次会組。明日萩原にお礼言わなきゃ。というか冷静に考えて、私さっき松田と2人がいいとか、めちゃくちゃ恥ずかしい事言ったよね!?うわーどうしよう。でも松田も私と抜けるってハッキリ断ってくれたし嬉しい。
「どこ行く?ってお前顔赤いけど」
『いや、なんでもない。なんでもないから』
「ふーん」
頼むから楽しそうな顔でこっち見ないで。
『そ、それよりも、別の場所で、飲み直す?』
「なぁ、もしかして俺と2人で意識してんの?」
『ナナナナニイッテルンデスカ』
「ぷっ、くく。お前マジで面白いな」
そんな笑わなくてもいいじゃん。そうですよ!松田と2人で意識してますよ!だって好きな人と2人だよ?意識するに決まってるじゃん。
『いい加減笑うのやめてよ!だってしょうがないじゃん。松田の事好きなんだから、意識しない方が無理に決まっ………て』
言ってから気づいた。ここは道の真ん中だという事に。近くを歩いていた人が熱いねぇ、ヒューヒュー等野次を飛ばしてくる。なんで口に出ちゃったの。確かに今日松田に告白するチャンスだと思ってたけど、でもどうせならもっと違う場所でちゃんと告白したかったのに。最悪だ。
『ごめんっ。私やっぱ帰る』
「は?ちょっ、みょうじ。待てって」
松田の声を無視し、私は逃げるように寮に帰った。
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