Just look at Me | ナノ

2


食事会と言う名の合コン当日。お洒落して気合い入れても合コンに力入れてると思われても嫌だし。カジュアルな格好にした。変じゃないかな。
松田の事好きだと自覚してからは、少しでも可愛く見られたくて、使った事のないスキンケアを買って使うようになった。お洒落や化粧も勉強するようになった。ただ、一番の問題はこの小ぶりな私の胸だ。ブラのパッドを駆使したり、無理矢理寄せていて何とか誤魔化していた。
初めて出来た彼氏とそういう雰囲気になり、服を脱がされた時「あー、俺今日ゴム持ってないんだった。ごめん、また今度な」と言われてそのまま音沙汰が無くなった。
その後別の男性と付き合うものの「顔はタイプだけど、胸ないのはちょっと」と言う理由で別れたりもした。
それから私は自分の胸がコンプレックスになり、絶対に男性と付き合わないと決めた。もちろん全ての男性がそうではないと分かっている。私の男運が無いだけだ。

それなのに松田という男と出会ってしまった。最初の印象は目つきも口も悪いし嫌な奴と思っていた。でも実際に話してみると思ってたよりも優しいし仲間内だとよく笑うし冗談も言う。同じ班だし仲良くなるのに時間はかからなかった。松田と冗談を言い合ったり、馬鹿したりする時間が私はすごく好きだった。気づいたら惹かれていた。それにいち早く気づいたのは萩原だった。

「みょうじちゃんって、陣平ちゃんの事好きでしょ?」

『ごほっ、ごほっ。な、なにいきなり』

「大丈夫、誰にも言わないし。それに、気づいてるの俺だけだろうし。あっ、陣平ちゃんとの付き合い長いからさ、相談乗るよ?」

『ほ、ほんと?』

「研二くんに任せなさい」

『萩原ってすごく良い奴だったんだね!』

「俺の事なんだと思ってたの」

『チャラ男』

「ひどいな、まぁ女の子大好きなのは否定しないけど」

『うわぁ』

「ちょっと、なんで引くんだよ。相談乗るのやめようかなー」

『ごめんって。相談に乗ってください萩原様』

「じゃあまずは、陣平ちゃんの可愛い子供時代から……」

そう言えばそんな事もあったなとボーッとしながら思い出していた。

|
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -