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松田陣平は警察学校の同期でもあり私の想い人でもある。
松田に片想いしている私はよく萩原に相談に
乗ってもらっていた。
「早く陣平ちゃんに告白しちゃいなよ。じゃないと陣平ちゃんモテるし、他の女の子に取られちゃっても知らないから」
『分かってるけどさ。だってー、フラれたら立ち直れないし、次からどういう顔して会えばいいのよ』
松田の事狙ってる女の子は多い。イケメンで高身長だし、目つきも態度も悪いけどそこが素敵だなんて言う子や、伊達班のメンバーといる時だとよく笑う。
その笑顔が可愛くてギャップにやられる子もいて、とにかくモテるのだ。
「そもそもなんでフラれる前提で考えんの?」
『私が松田と釣り合わないって分かってるし。松田の事狙ってる子達はみんなスタイル良くて、美人か可愛いじゃん。だから……』
「他の子と比べてどうすんの。みょうじちゃんはみょうじちゃんにしかない魅力があるし、それに俺は十分可愛いと思うよ」
『ありがと』
「陣平ちゃんにフラれたら俺と付き合っちゃう?」
『それは遠慮する』
「なんで!?そこは研二くんと付き合う流れでしょ」
『はいはい、じゃあけんじくんとつきあうー』
「気持ちが全然こもってない!せっかく今度の食事会陣平ちゃんの隣にしてあげようと思ってたのに」
『それは食事会と言う名の合コンでしょ。でも萩原様ーありがとう!最高!かっこいい!』
「よし任せろ、もっと褒めてくれていいよ。ちゃんと隣にしてやるんだから、アタックしまくっちゃえ」
『か、考えとく』
「えーそこは頑張るって言うとこじゃん」
いつまでもうじうじしてる私に嫌な顔せず、ずっと相談に乗ってくれて良い友達を持ったと思う。
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