Precious memories

05

目が覚めると自分の部屋とは違うことに気づく。布団からは零の香りがする。ということはここは零の家だ。あれ?昨日は確か萩原と松田と一緒に………。
ダメだ全く思い出せない。少し痛む頭を押さえながら部屋を出ると朝食を準備している零と目が合う。

「おはよう。もうすぐ朝食が出来るから手を洗ってこい」

『おはよう零。ありがとう』

私は手を洗いに洗面所に向かう。ついでに洗顔もしよう。洗顔と手を洗い終わりリビングに戻るとテーブルの上に料理が並んでいた。料理が全然出来なかった零だが、ヒロと私が料理を教えた甲斐があり今では私よりも腕を上げた。
私よりも料理上手になっていてなんか悔しい。

「どうした?早く食べないと冷めるぞ」

『あっごめん、いただきます』

「いただきます。なまえ昨日のこと覚えてるか?」

『昨日は確か萩原と松田と一緒にご飯食べに行ってお酒飲んでる途中から記憶がない…もしかして、私何かやらかしちゃった?』

「はぁ、やっぱり覚えてないのか。なまえは昨日酔っ払って萩原と松田に迷惑かけてたぞ。だからあれ程飲み過ぎるなと日頃から言ってるんだ」

『うっ、今度会ったらちゃんと謝っとく。零にも迷惑かけてごめんね?』

「全くだ。だいたいなまえは……」

零の説教が始まった。心配してくれるのは嬉しいんだけど零は私のお母さんなの?聞いてるフリをしてほとんど聞き流していた。

「おい、僕の話し聞いてないだろ」

『そ、そんなことない。ちゃんと反省してるから。はい!もうこの話しはおしまい!ごちそうさまでした。洗い物私がするから』

「まだ話しは終わってないぞ。………はぁ、これ以上はもう言うのやめる」

『ふぅ……』

「次はないからな?」

『はい!気をつけます』

「よろしい」

なんだかんだで文句を言いながらも助けてくれる幼馴染。零は本当優しい。

「さて、そろそろ仕事に行く準備をしないとな。一旦家に帰るか?」

『うん。流石に昨日のままの服着て行くのもやだし。シャワーも浴びたいから一旦帰る』



零の家から私の家まで徒歩で15分ぐらいの距離にある。出勤までまだ余裕があるから零と別れて家に帰った。
あれ?そういえば昨日おでこにキスされたような?まぁ、いいか。
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