Precious memories

03

今日11/7私は仕事が休みなので家でゆっくりしていた。するとテレビからニュースが速報で流れた。都内の高級マンション2ヶ所に爆弾が仕掛けられたとの事。爆弾といえば萩原と松田を思い浮かべる。
きっと2人なら大丈夫だろう。Wエースと言われてるぐらい優秀なんだから。だけど何故か私は嫌な予感がずっとしていた。

警察学校時代よく2人から爆弾の事を聞いていたので2人程ではないが、ある程度の知識はついていた。でももし爆弾が遠隔操作出来るタイマー式だったら?タイマーが止まって安心しきっているときに犯人を逆上させる事になってタイマーが作動し爆発したら?防護服を着ていてもただではすまないはず。私の考えすぎかもしれない。
でも何もしないで大事な仲間に何かあったら嫌だ。そう思った私は急いでパソコンを起動し、犯人の端末にアクセスしタイマーの作動を遅らせようとした。これでもハッキングは得意だ。そして私は犯人の端末にアクセスする事に成功した。私に出来る事はやった、あとは2人の無事を祈るばかりだった。

その後松田から連絡があり萩原が担当したマンションの爆弾が作動し逃げようとしたら爆風に巻き込まれて怪我をして入院したらしい。幸い怪我も軽く数週間の入院だそうだ。他の隊員達も軽症者ばかりで死者は出ていないそれを聞いて私は安心した。
なんでもタイマーが作動したと思ったら少しの間止まったみたいでそのおかげで助かったと萩原が言っていたそう。仲間を助ける事が出来てよかった。
もし萩原が爆発に巻き込まれて殉職なんて事になったらと考えるだけで怖くなった。私は松田との電話を切ると警察病院へと急いだ。軽症とはいえ萩原が心配だった。

警察病院へ到着し受付で萩原の病室を教えてもらいすぐに向かった。ドアをノックしたら萩原の声で「どうぞー」と聞こえた。ドアを開けるとベッドに起き上がっている萩原がいた。包帯が所々巻かれているが思ったより元気そうだ。

「みょうじちゃん来てくれたんだ」

『松田から聞いたときは心臓止まるかと思った』

「いやぁ、俺もタイマー止まってたからいっぷくしてたんだよ。全員避難終わってから解体しようと思ってたら急にタイマーが動きだすんだもん。さすがの俺ももうダメだと思った。陣平ちゃんにももしなんかあったら仇取ってくれって伝えてさ。正直死を覚悟した。でも動いてたタイマーが止まったんだ。それを見て俺はまだ死にたくない生きたいって思って必死に逃げた」

『………………』

「なんでタイマーが一瞬止まったかあの時は逃げるのに必死で考えなかったけどさ、みょうじちゃんハッキング得意だったよね?もしかして犯人の端末にアクセスして助けようとしてくれたんじゃってさ、どう?俺の推理当たってる?」

『そう、萩原の言う通り。ニュースで事件を知って嫌な予感がしたの。もし犯人が仕掛けた爆弾が遠隔操作が出来るタイマー式だったらって。犯人を逆上させるような事をしてタイマーが作動して爆発したらどうしようって。萩原か松田が危ないんじゃないかって』

「みょうじちゃんありがとう。助けてくれて。本当に感謝してる」

『っ……』

私は萩原に思いっきり抱き着いた。

「おわっみょうじちゃん?」

『わたしっ…ほんっとうに心配したんだからっ…』

我慢していた涙が溢れた。

『ひっく…しかも、なんでっ爆弾の…近くでっタバコなんか、吸うのよっ……萩原はっ馬鹿なの?っ』

「陣平ちゃんにもこってり叱られた。みょうじちゃんごめん。ごめんな。心配かけて。泣かせてごめん」

涙が止まらないのは萩原のせい。

「おい、萩原。何みょうじ泣かせてんだよ」

ドアを開けた松田が後ろに立っていた。

「松田、これはその……。なぁみょうじちゃん泣き止んで?俺の事心配して泣いてくれるのはすごく嬉しいんだけど、後ろの松田がすごく怖い顔してて、俺が色々とヤバイ」

何が色々とヤバイのか分からなかったが、いつまでも泣いて萩原に抱き着いたままでいるわけにもいかず涙を拭いて離れる。

「松田、俺を助けてくれたのみょうじちゃんだったよ」

「やっぱそうか。お前ハッキング得意だったもんな。もしかしたらと思ってよ。親友を助けてくれてありがとなみょうじ」

『私は大事な仲間を助けたいって、ただ当たり前の事しただけだよ』

「でもお前は萩だけじゃなく他の隊員の命も救った。これはすごい事だぜ。もっと胸はれよ」

「そうだよ、みょうじちゃん。本当何度感謝しても足りないくらい。そうだ、俺が退院したら今度ご馳走するから、美味しい物でも食べに行こうよ」

「へぇ?美味い物か。そりゃ楽しみだな」

「え!?まさか、陣平ちゃんもくんの?俺はみょうじちゃんとふた「あ"?」

「いや、冗談だって。3人で行こうな」

松田は警察学校時代からみょうじちゃんに惚れてるからなー。
いやもちろん親友の恋は応援してるさ。
松田がみょうじちゃんに萩原に回らない寿司とか高級焼肉とか食べたいって言っとけ。って彼女の頭を撫でながら優しそうな顔をして言っている。
あんな松田の顔初めて見たな。
こりゃそうとう彼女に惚れてるな。
みょうじちゃんかなりの鈍感だしな頑張れよ松田。俺は心の中でエールを送った。
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