Precious memories

01

私達は無事に警察学校を卒業した。
萩原と松田は爆発物処理班、伊達は捜査一課、ヒロは警視庁公安部、私と零は警察庁警備局警備企画課に配属された。


公安は潜入捜査や危険な仕事も多い。
その為身内や友人等の連絡先は消すべきだと分かっていたが、同期達と疎遠になりたくない。私は連絡先を消せずにいた。プライベート用と仕事用に別けてなんとかしよう。そうだ自分がヘマさえしなければ良い。仲間との付き合いは大切にしたいから。

新人という事もあり最初は先輩について仕事を覚えていった。幼馴染の零もいるし私は1人じゃない。毎日必死に頑張った。

配属してから1ヶ月が経ち萩原から「久しぶりに飲みに行かない?」と連絡がきた。
ちょうど仕事も終わった所だったので行くと伝えて場所を教えてもらい向かった。

教えてもらった居酒屋に着くと「みょうじちゃーん、こっちこっち」と声が聞こえた方を見ると、そこには萩原と松田がいた。

『2人とも久しぶりだね』

「みょうじちゃんに会えなくて寂しかったよー」

「おう」

「みょうじちゃん何飲む?」

『じゃあ生で』

「すいませーん。生3つ」

さすが萩原気が利くな。
生ビールが到着しみんなで乾杯する。

『ぷはぁっ、うーん。ビール最高!』

「ははっ、みょうじちゃんいい飲みっぷりだね」

「おい、みょうじおっさんくせぇぞ」

『しょうがないじゃん、久しぶりのお酒なんだし』

そりゃ悪かったなと松田が笑った。
まだ1ヶ月しか経ってないのに警察学校の頃を思いだす。あの頃はみんなで馬鹿やってよく教官に怒られてたっけ。3人で警察学校時代の話しや仕事はどうだとか色々盛り上がった。
楽しい時間はあっという間で、そろそろ終電の時間になったため帰る事になった。

「じゃあ、陣平ちゃん。みょうじちゃんをちゃんと家まで送り届ける任務を与える」

「最初からそのつもりだっつーの」

松田の耳元で萩原が「送り狼にはなるなよ」と言った。「そんなことしねぇよ。萩じゃねぇんだからよ」「陣平ちゃんがそんな事するとは思ってないけど、一応言ってみただけ」「なんだそりゃ」呆れた顔で松田が萩原を見る。

『2人で何こそこそしてるの?』

なまえが声を掛けると2人がハッとしたようにこっちを見た。

「いやぁこっちの話。ごめんねみょうじちゃん。俺はこっちだから。また集まろうぜ」

そう言って萩原は笑顔で手を振って帰っていった。

「じゃあそろそろ帰るか」

松田は私の家とは逆方向で送ってもらうのが申し訳なくて『ごめんね』と謝ったら「気にすんな。それにそこはありがとうだろーが」そう言って思いっきりデコピンをしてきた。かなり痛い。
仮にも私は女なんだから少しは加減してほしい。
痛そうにしてる私を見て「少しやりすぎたか、悪かったな」って言ったけど全然反省してない。だって笑ってるから。今日はわざわざ送ってもらうから許すけど次したらグーパンチしてやると心の中で思ったのだった。

最寄り駅に到着し、家もすぐそこだから大丈夫と言う私に松田は家の前まで送ると言って聞かなかった。私の家は最寄り駅から徒歩5分程の所にある。街灯も多いし人通りも少ない訳じゃないから、大丈夫なのに。「俺が心配なんだよ、お前は黙って送られてろ」そう言われたので、結局は私が折れて家の前まで送ってもらった。

『松田送ってくれてありがとう。また飲みに行こうね』

「おう。また空いてる日連絡しろよ。じゃあな」

そう言って松田は帰っていった。
私は部屋に入るとお風呂に入って布団に潜り込んだ。今日久しぶりに萩原と松田に会えて楽しかったな。今度は6人で集まりたいなー。そう思いながら眠りについた。

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