高校の同級生だった松田と
合コンで再会

大学卒業後友人に合コンの人数がたりないからとお願いされ、断われなかった私は参加する事になった。あまり乗り気じゃないんだけど。合コン場所に到着するとすでに何人かいた。

「なまえー。こっちこっち」

友人が声をかける。
席に座ると男性陣が2人足りなかった。
男女5人ずつ集まるって聞いてたんだけど。

「後から男2人来るから」

「じゃあ先に始めちゃおっか」

みんなで飲み物と食べ物を頼み、お酒が進むとそれぞれ楽しそうに話ている。私はというと別に出会いを求めている訳でもないし、人数合わせに来ただけだから興味無い。早く帰りたいなーと思っていると後から来ると言っていた男性2人が来た。

「おーっす。遅れちゃってごめん」

「萩、飯行こうって言うから来たのに、合コンなんて、聞いてねぇぞ」

「まぁまぁ、陣平ちゃん。合コンって言わなかったのは悪かったよ」

「帰っていいか?」

「ダメダメ。飲み食いタダだからさ、ね?頼むよ」

「はぁ、わーったよ」

2人のやり取りを見てると何処かで見た顔だと気づく。あの2人って確か高校の時の同級生の萩原くんと松田くんだ。仲は良かったと思うけど、卒業してから4年ぐらい経ってるし、バレないよね。どうか気づきませんように。席についた2人に気づかれないように下を向く。

「あれ?もしかして、みょうじちゃんじゃない?」

さっそくバレてるじゃん。萩原くんは笑顔でこっちに手を振ってるし、松田くんは無言でこちらを見ている。

『ひ、久しぶり……』

「良かったー。間違ってたらどうしようかと思った。だってみょうじちゃん、高校の頃よりも可愛くなってんだもん」

『えっと……』

「ちょっとなまえ。イケメン2人と知り合いだったの?紹介してよ!」

他の男性陣もイケメンだけどこの2人のイケメン度はズバ抜けている。イケメン大好きな友人が食いつくのも納得。

「みょうじちゃんのお友達?」

「そうでーす」

「俺は萩原研二、でこっちが松田陣平。よろしく」

「おい」

「陣平ちゃん、睨むなよ」

「勝手に自己紹介してんじゃねぇよ」

「2人仲良いんだね」

「あぁ、俺と陣平ちゃんは小さい頃からの仲だからね」

「けっ」

「ふふっ、松田くんって口悪いんだね」

「あ"?」

「私は好きだけどなー」

「陣平ちゃんがタイプなの?俺は、俺はー?」

「萩原くんも格好いいし、タイプかな」

「おっ、ありがとう。君も可愛いよ」

友人と盛り上がっているし、今の内に帰ろうかな。帰る準備をしているとそれに気づいた友人が声をかける。

「あれ、なまえもう帰っちゃうの?」

『……うん。ごめんね、そろそろ寮に帰らないと』

まだ門限までは早いが、早く帰りたい口実だ。

「そっかー。今日は来てくれてありがとう。気をつけて帰ってね」

「えー?みょうじちゃん、帰っちゃうのかよー。じゃあ、連絡先交換しようよ。また会いたいし」

『うん、いいよ』

赤外線で連絡先を交換する。

「………………。」

「陣平ちゃん、無言で睨むのやめて」

『えっと、じゃあ萩原くん、松田くんまたね』

「また連絡するねー」

そう言って店から出る。松田くんなんか機嫌悪かったな。あんまりというかほとんど喋って無かったし。なんか怒らせるような事しちゃったかな。
そう思っていると急に腕を掴まれる。

「待て、送ってく」

『えっ、松田くん、どうして?』

「こんな時間に女1人で帰んの、危ねぇだろ」

「いや、そうじゃなくて。合コン良かったの?」

「あ?元々合コンなんて乗り気じゃねぇし、むしろ抜ける口実が出来て助かったわ」

そう言って笑った松田くん。久しぶりに見た笑顔はやっぱ素敵だなー。

『笑った顔、好きだな』

しまった、声に出てた。松田くんの顔を見ると赤くなっていた。

「お前、急にそんな事言うのやめろ」

『ご、ごめん。つい』

「なぁ、みょうじ彼氏いんの?」

『いないよ。松田くんは?』

「俺もいない。てか俺好きな奴いてさ」

『へぇー、そうなんだ』

「そいつは高校時代の同級生で、よく笑うし、気が利くし、友達想い出優しい奴でよ。久しぶりに合コンの場所で再会したんだけど、」

うん?それって、もしかして……。

「めちゃくちゃ可愛くなってるし、萩原と連絡先交換してムカつくし、なんで俺とは交換してくれねぇんだよって」

だって松田くん連絡先交換したいなんて一言も言ってなかったじゃん。

『えーっと』

「俺の好きなやつは、みょうじって事。で返事は?」

『そ、それじゃあ、まずはお友達からで』

「そんじゃあ、覚悟しとけよ。俺の事好きすぎて離れられねえようにしてやるから」

不敵な笑みを浮かべる彼を見て落とされるのは時間の問題かもしれないとそう思った。携帯を奪われ連絡先を交換する。寮まで送ってくれた場所を見て松田くんがびっくりしたのは、警察学校の寮だったから。なんと萩原くんと松田くんも警察官を目指していて、警察学校にいるらしい。今まで気づかなかったのは教場が違うからだろう。

「なんだよ、お前も警察学校にいんなら、話は早ぇな。逃げんなよ」

『あははは』



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