友達以上恋人未満
『こんにちはー』
「あっ、なまえさん、こんにちは」
ポアロのドアを開けると梓さんが出迎えてくれた。
『梓さん、今日も可愛いです!』
「ありがとうございます。なまえさんも可愛いですよ」
「おや?梓さんとずいぶん仲良しですね。僕もいる事忘れてないですか?」
安室さんは少し拗ねていた。可愛い。
『すみません。もちろん安室さんも素敵ですよ!』
「なまえさんから褒めてもらえて嬉しいです。そう言えばなまえさん、今日はいつもよりお洒落されてますが、何処かお出かけでもされるのですか?」
『えへへ。(大好きなコナンくんと)デートなんです』
ピキッと音がし、安室が持っていたグラスにヒビがはいる。
「ホォー。それはいけませんね。なまえさんみたいな素敵な女性を誑かす輩はどこのどいつですか」
「やだ、安室さん。なまえさんみたいに素敵な女性ならきっと素敵な男性ですよ。どんな方なんですか?まさかお付き合いされてるとか?」
『え!?やだなー、彼はそんなんじゃありませんよ。(相手は小学生なんだから捕まっちゃうよ。犯罪だよ。)可愛すぎて尽くしたくなっちゃいますけど』
「って事は年下の男性ですか?」
『えぇ、まあ。』
「………………。」
安室さんがさっきから怖い。
笑顔のハズなのに目が笑ってない。
『あの、安室さん?怒ってます……か?』
「えぇ。僕の知らない内に他の男となまえさんが、親しい仲になっている事が、気に入りません。その男とデートなんかやめて僕とデートしてください」
『へ?』
「僕は恋愛対象に入りませんか?」
『そ、そんな事は………』
「言っときますけど、僕は冗談で言ってる訳ではありませんよ」
「きゃー。安室さんとなまえさんってそういう仲だったんですか!?」
『違います!誤解です!』
「そんなに全力で否定されるなんて、悲しいです」
安室さんが私に近づくと耳元で私にしか聞こえない声で「僕に落とされる覚悟しといてくださいね」そう言われて私は『ひぇっ』と思わず変な声を出してしまった。梓さんに「なまえさん、顔赤いですが大丈夫ですか?」と聞かれたけどそれどころじゃない私は全速力でお会計をし逃げるようにポアロを出ていった。
後日コナンと出かけたなまえの近くには公安の風見がいたのだった。
それに気づいたのはコナンだけ。
(おいおい、マジかよ。安室さんの奴、こりゃそうとうなまえさんに惚れてんな。あとで安室さんから色々話し聞かれるんだろうな。ハハハ。)
翌日なまえのデート相手がコナンだと風見から聞いた安室に質問攻めにあうコナンだったとさ。安室となまえがデートしたのか、その後関係がどうなったかはまた別のお話。