恋人社会科見学 | ナノ

恋人社会科見学



信じらんねぇ信じらんねぇ信じらんねー!!!!!!



「何そんな怒ってんだよ。」
「だ、って!プリクラがこんな恥ずかしいもんだなんて聞いてねぇ…!!」
「仕方ねぇじゃん。そういうもんなんだから。」
「ううううう…!」


ハイ、と御幸が差し出してきたのは、鋏を使って綺麗に切り取った四角形のペラペラしたシール――そう、俺の怒りの原因だ――を渋々受け取って、恐る恐る覗きこむ。
そこ映ってるのは、俺と御幸。
それぞれ違う写真になってて、普通に二人で映ってるものもあれば、…絶対人には見せられねぇようなもんも映ってて、プリクラを持つ手がプルプル震えた。

叶うなら、今すぐにでも全て焼却処分してしまいたい。


「大体…!!キス、なんて、しなくても…!」
「えー?だって、向かい合って誓いのキスーって言われたじゃん。」
「お前のキス、なげぇんだよ!おかげで二枚とも同じようなのになってるし!」
「はっはっは、…あれじゃね?お前がバカ可愛いのが悪い。」
「んだそれ!」
「まぁ終わったことじゃん。…にしてもほらこれ、この沢村なんてすっげーカワイーぜ?」
「はぁ!?」


御幸が指差す先には、Eat Me!なんてとんでもない言葉が書かれた(これくらいの英語なら俺だって読める!)プリクラ。
御幸が必要以上にくっついてきて、うざかったやつ。
耳の後ろんとこに息とか拭きかけてくるから、ゾクッとして変な顔になった。

そんなことを思い出して、一瞬黙った俺を、御幸は見逃さない。


「沢村、何思い出してんの?」
「は、ぁ!?別に!!何も思い出してなんかねぇし!」
「嘘嘘。顔赤いし。」
「うそだ!」
「本当。沢村のエッチー。」
「あんたが言うなあんたが!!!」


するり、と御幸の腕が俺の頬を撫でる。
ここは人前だって手を叩き落として一歩距離を取るけど、その分一歩御幸がにじり寄ってきて。


「沢村。」


狭いプリクラ機の間に挟まれて、見上げた先には笑顔の御幸。


「帰ろうっつったけど、それちょっと保留な。」


嫌な予感に背中を震わせたけど、もう遅かった。
完全に変なスイッチが入った時の御幸の変な目で見下ろされたら、俺にもう逃げ場は無い。













「っ、あ…!あ、…ッ、やめ…!」


グチグチと嫌な音があたりに響く。
耳を塞ぎたいのに、両手とも頭の上で一まとめにされて、後ろには硬い壁が背中を押すだけで、逃げられないし身動き一つ取れない。

ドンッ、ガンッ、と俺が体を動かすたびに大きな音が鳴った。


「ひっ、や…!あ、あ…!」
「沢村、ドア壊すなよ…?」
「だ、って…っんあ…!む、り…むり…!」


安っぽい板は、一度でも力を入れて蹴ったら簡単に蹴破れてしまいそうだ。
…トイレの個室の壁なんて所詮そんなもの。


なぜか俺は御幸に引っ張られてトイレに連れ込まれて、気づけば狭い個室に二人して入り込んでいた。
プリクラ機の近くにあるせいもあってか、男性トイレはとても狭く(多分使う人がいないんだろ。個室も1つしかない)人は来なさそうだったけど、それでもここが外ということに変わりは無く、御幸があらぬところに手を入れて来た時は大きく抵抗してたんだけど、相変わらず変なところでも器用さを発揮する御幸から与えられる快感に俺が堪えられるはずもなく。

壁に追いやられるように押さえつけられ、そのままズボンの中に手を入れられてあれよあれよという間にもうどうしようもない状況になっていた。


「んっ、んん…!みゆ、き…!」
「うわ、すっげびくびくしてる。…イきそう?」
「い、あ、…!ふ、あぁ…!や、だ…!いやだ…!」


こんなところでなんて絶対に嫌だ。
ズボンが汚れないようにと膝まで下ろされ、直に性器を弄られて、露出させられたそれはもう嫌だなんて言ってどうにかなるような状態じゃなかったけど、こんな状況受け入れろという方が無理で、何度も何度も首を横に振った。
だけどそんな抵抗も、御幸には聞いてもらえず、クスリと笑われるだけ。

ぐりっ、と指の腹で先端を刺激されると、ビクビクと腰が揺れて、ドアが大きくガンッと音を立てた。


「あんま大きい音立てると人が来るかもよ?」
「なっ、ら…!もう、やめ…!」
「それは、無理。」


一体どのタイミングで変態スイッチが入ったのか。
意地悪く笑った御幸が軽く唇を舐める。
その様子が妙にエロくて、ドクンと心臓が鳴った。

散々指で嬲られた性器は既に先走りがプクプクと先端から泡立つようにあふれ出てきていて、それを撫でるように掬い取りながら御幸は愛撫をやめようとしない。

いくら人気が無いといっても、いつ誰が来るか分からないのに、こんなこと…!
そもそも寮でですら、あんまりこういうことは得意じゃねぇのに、外でなんてもってのほか。
俺はコイツと違って変態じゃねぇんだよ!と思うけど、下半身丸出しで男に弄くられて声上げてる今そんなことを主張しても誰も信じてくれるわけねーな…。


鳴き声が混じる俺に、意地悪い手の動きとは裏腹な優しいキスを唇や目元に落としつつ、ぐずぐずになった性器を何度も何度も扱かれる。
先っぽが弱いってこと知ってる御幸はそこばっかり何度も指で引っかいたり、たまに弾いたりしてくるから、俺はすぐに大きい声を上げてしまう。


「ひァっ、…!う、…あ、…あ、あンっ…!」
「何そのエッロイ声。外に聞こえるってーの。」
「やぁあ…!や、っ、んン…!」


何度も腰を捻って逃げようとするけど、御幸に力では敵わない。
寧ろ逆に体を反転させられて、目の前にドアとご対面。
そのまま、先走りを絡めた指を一本後ろに入れられると、流石の俺も目を見開いて息を呑んだ。


「っ、ああ…!や、も…っ、ぃああ…!」
「…まぁとりあえず沢村に残念なお知らせがあんだけど。」
「な、…に…っ、ひぁ、…!!」
「俺、今日は一応健全デートのつもりでいたからさぁ…。」


くにくにと入り口付近の柔らかい部分を押さえつけられて指で内壁を擦られると、悲鳴みたいな声が鼻から抜ける。
話しながらもその手をやめてくれない御幸をにらみつけつつ、体が落ちないようにツルツル滑るドアに必死に縋りつきながら、少しだけ振り向いた。

その顔が結構深刻そうだったから、なんだよ、と途切れ途切れに息と共に吐き出せば、耳元に唇を寄せられて聞こえた言葉に顔が一瞬で染まった。


「…ゴムがねぇんだよなぁ…。」


さすがに外でナマはまずいだろ、と心底深刻そうに呟く御幸。
俺はというと、もう言葉すら出ない。
しかも、安心したようなどうしたいいんだコレ、と思う気持ちと半々で、とりあえずもう御幸を見るのはやめようと思った。


「帰んないとだし、いつ風呂入れるかわかんねーのに、まずいだろ?」
「…っ、ば、かやろ…!」
「でもこのままじゃ俺もお前も辛いし。…まぁ、続きは寮に帰ってから考えるとして。」


ぐいっと腰を掴まれて少しだけ持ち上げられる。
慌ててドアを掴むも、掴むものがないそこは、カリカリと爪の音が虚しく響くだけだった。
何をされるか分からなくてビクビク体を震わせていると、御幸がズボンを少しだけくつろげる音がして、次の瞬間股の間に感じた熱に驚いて背中が弓なりに震えた。


「ひっ…!?」


挿れられた感触はないものの、確実に感じる御幸の熱。
前に回って御幸の手が、俺の性器と御幸のを両方一緒に掴んで、擦り合わせるみたいに擦られて、目の前がチカチカと一瞬でスパークした。


(な、なんだこれっ、…!なんだよこれ…!)


ぐちぐちと二人分の精液が混じる音が生々しく聞こえてきて、まるで中で動かれる時みたいに腰を揺らされて、それに合わせて声が漏れる。


「ま、…今日はお前のいろいろ初めて記念日ってことで。」


御幸が器用にお互いの性器を手できつく刺激しながら、漏れ出す精液を絡めてぬるぬると擦り合わせれば、すぐに絶頂感が沸きあがってきて、俺はそれを訴えるように合わせられた拳をぎゅっと握った。

それに気づいた御幸が小さく短い息を吐いて、そのままシュッ、シュッ、と音を立てながら股の間に性器を擦りつけてきて、まるでそれが中で動いてるみたいな感覚で、俺は一気に御幸の手の中に欲を吐き出す。


「あっ、ああぁああ…!」


声、我慢しねぇと、って思ったけど、予想以上に大きな声が出て、我慢出来なかった。
きゅうっと反射的に下半身に力が入る。ドクドクと波打って太股をツゥ…と精液が伝っていく感覚が気持ち悪くて身震いした。


「ごめん、沢村、もうちょっと。」


もう終わりだって思ったのに、そう御幸が囁いて、嫌だ、と声を上げる前に再び熱い塊を擦り付けられて、もう声を我慢するなんて出来なくて。
そのまま御幸が満足するまで股の間弄られて、結局御幸がイった時には、俺はもう一度下肢を汚すハメになった。









「さいっあくだ!!本当最悪!お前最低!」
「だーかーらー。悪かったって言ってんじゃん。」
「悪いですんだら警察いらねーんだよ!!!!」
「…途中からお前だって結構ノリノリだったくせに。」
「だ、れ、が!!」
「だってぜってーあれ誰かに声聞こえてたって。本当エロ魔人だな、お前。」
「ふっざけんな!!お前のせいだろ全部!もう御幸なんて大嫌いだ…!」
「ああもうだから泣くなって。帰りにプリン買ってやるからさー…。」
「プリンですむほど安くねぇんだよ!!!」
「今日は特別に2つまで許してやるから。」
「……御幸のバカヤローーーーーーー!!!」






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