夜明け前 |
「夜明け前」 「寒みぃな…」 連取が始まるのは、だいぶ先である。まだ日の昇らぬ時間だ。御幸は自分の吐く息が、闇に溶けて消えていくのを、ぼんやりと眺めていた。体が少しだるい。連日、対戦チームの調査のせいで、ほとんど眠っていないのが災いしているようだ。 ふと虚空を見上げると、闇の中に小さな自分が溶けていくような感覚を覚えた。 「俺、何やってんのかな」 人をまとめるのは得意ではない。他人の気持を察することはできても、何をすればいいのか、本当はわからない。どうすれば本当に相手のためになるのか。それが大切な人であるなら、なおさらだ。今はチームを強くすることが、自分のできる精一杯の手助けであると思っている。だが、先輩がいとも容易く、沢村を助けている姿を見ると、自分はまだ未熟で取るに足りない存在であると思ってしまう。 「沢村…」 「何だよ!」 驚いて振り向くと、見慣れた顔がそこにあった。今まで心に想っていた、まさにその顔だった。 「びっくりさせんなよ。」 「うっせーな、俺もびっくりした!」 綺麗な瞳に光が戻ったのがライバルである降谷や師であるクリスの力だと思うと、嬉しいけれど、少し辛かった。 不意に目の前の影が動く。 「顔、赤ぇな。熱あんの?」 ごつ。と乱暴な音をたて、御幸の額に何かがぶつかった。深い黒の中に、宝石のように輝く光を込めた瞳が、真っ直ぐに御幸を見つめる。 「さびしそうな顔してんじゃねーよ。」 沢村の笑顔に不覚にも鼓動が速くなっていた。 「お前はいつもみたいに、へらへらしてりゃいーんだよ。」 そこにいるだけでいい そう言われたような気がしたのは都合が良すぎるだろうか。 「そうだな。お前みたいにバカツラしてりゃいいのな」 「うっせーバカ!」 薄く光を抱き始めた空の色が、遠くない夜明けを知らせていた。 了 *** snow-flowerのはるか様から頂きました!! な ん て 綺麗 な 御沢!!! はわわわわ…!!拙宅には無い可愛い綺麗な素敵御沢頂いてしまいました…!! あわわわ、どうしましょう!実はこれ、年賀状のお礼ということで頂いてしまったのですが、私もはるかさんからイラストと文章頂いているのですよ…!!! なのでまさかこうしてサイト宛にも頂けるとは思いもよらないサプライズで、驚きと嬉しさでひゃわーっとなってしまいました…(;。・`ω・。)! 本当すみませんというか文字書きが年賀状イラで皆様からお礼頂くのってどうなの…(真剣) あーー御沢って可愛いな!!御沢って可愛いんだよ!御幸可愛い沢村可愛いあああ…! そこにいるだけでいい、そうですよねぇ。高校生あああ…! ちょっとした幸せが大きな幸せになる瞬間ってつまり青春っていうんだな、と納得しました。ああ…! 本当に幸せです。素敵な御沢をありがとうございます…! 私最近本当に神棚を目の前にして跪いて拝める気がします。あうあうあ…!! 本当にありがとうございました!大好きです。大好きです! はるかさん、2011年もどうぞよろしくお願いします!ぺこり! [←] |