間に合ったサプライズ☆ |
11月某日。 毎年のクリスマス・イブからクリスマスにかけて、高校時代のメンバーで集まるのが恒例だが、今年は新婚っという訳で御幸が早々と栄純に相談せずに欠席とすぐに返答をした。 「えーなんで行かないんだよ?俺、行きたかったのにさ」 「言うと思ったよ。だってさー新婚なんだし、それに正月に会うから良いだろ。な、栄純。二人で過ごそう」 (全く新婚って自覚無だよなー) 御幸は、栄純の反応があまりにも予想通りで泣けたが、ふっと抱き寄せ耳元で情事中に出すような甘い声で囁いた。 栄純は、その声に激しく弱く、一気に顔から耳まで真っ赤にし多少暴れたが、観念したのか大人しく小さく頷いた。 (あぁー全く初々しいよなー) ニヤニヤが止まらない御幸であった…が、この時にこのクリスマスが一生忘れられないものになるとは、御幸は思ってもいなかった。 12月24日。 「たっだいまーって居ないのか?栄純?」 折角だから何処かに行こうかと思ったが、栄純がケーキと料理をクリスマスプレゼントにしたいっということで、今回は自宅でゆっくりコースっとなった。 作っている姿を見られるのが、恥ずかしいから出て行って欲しいっと頼まれてしまえば、本当はエプロン姿を観察したかったが、機嫌を損ねてしまうと色々と支障が出てしまうので、大人しくいつも通りに日中は、トレーニングへと御幸は出掛けた。 「おっかしいなー…何処、行ったんだろ?」 ちょっと早めに切り上げ帰宅してみたら、自宅にはぼほ準備の終えた料理やケーキはあるが、それを作ったであろう栄純の姿が探しても何処にも見えない。 一通り探し終え、連絡をしようジャケットのポケットから携帯を取り出しリダイヤルの一番の上を押すとすぐに玄関の開く音が聞こえた。 「あれ…もう帰って来てるのか。たっだいまー」 「お帰りって栄純、何それ?」 御幸が玄関へと向かうと、そこには昨年のクリスマスに御幸がプレゼントした真っ白なコートと帽子を被った栄純が大輪のピンクの薔薇の花束を抱え立っていた。 「ん。あ、これは、お前へのクリスマスプレゼント」 はいっと花束を渡され咄嗟に受け取ってしまったものの、予想外の展開で普段ではあまり見せない驚いた顔で栄純と花束を交互に見返し、ぷっと栄純に笑われたしまう御幸であった。 場所を寒い玄関から温まっているリビングへと移動し、栄純は花束の説明をしないまま、御幸へと小言を言い始めた。 「お前…トレーニング早く切り上げただろ。しっかりやれよな。全くーこんなんで来季が…」 めっと子供を叱るように栄純は御幸を言ってきたが、そんなに怒っていないのは、その表情を見ればすぐに分かるのだが、いつもの表情とどう違うのか分からないが、違和感を御幸は覚えていた。 「いや、今日位はさ…ってお前、出掛けるなら連絡しろっていつも言ってるだろ。ったく何処、行ってたんだよ?」 気になることもあるが、御幸も注意しなくてはいけないっと気持ちを切り替えた。 新人賞を総ナメにし、期待度No.1のプロ野球選手の妻っということで顔出しはしてないが、万が一に備えて連絡はしっかりするようにいつも言っているのだが…そこは栄純なのでやはりその自覚が少なくふらっと出掛けている時も多々ある。 出掛けたとしても近所のスーパー位なので、心配性・過保護っと周囲は言うが、プロ野球一の愛妻家で、高校時代から栄純に振り回されている御幸にとっては、当たり前の策であった。 「お前へのクリスマスプレゼントを買いに」 栄純は花束を指さしながら御幸ににっこりと笑った。 「お前、クリスマスプレゼントはケーキと料理って言ってたじゃん」 「まぁーな。いやさ、間に合うかどうか微妙だったからさ。」 「はぁ?何だよ、それは?」 「ちょっとギリギリまで分からなかったんだもん」 「もん、っじゃない。全く…何?ただの花束じゃなくて、何か意味がある訳?」 クリスマスや愛の告白なら赤い薔薇のイメージであるが、御幸の手元には、栄純に渡されたピンクの薔薇のみで作られた花束が収まっていた。 御幸は過去、栄純から花束を貰ったこともないし、ピンクの薔薇なんてそんなに珍し種類でもないから花束を作るのに間に合う間に合わないっというのも可笑しな話である。 (えー何でだか、さっぱり分からない…。まぁ、表情を見る限り悪い話ではないだろうけど…んー) 「お、やっぱり知らないか…ふーん。どうしよっかなー。教えてあげるのも良いけどな。」 栄純は、にやにやっと嬉しそうに普段、中々見ることがない悩んでいる御幸の顔を眺めていた。 教えて貰うのは簡単だが、悔しいので一生懸命悩んでいた御幸は、ふと自分がプロポーズの際に利用した花言葉集を手に取り、ペラペラと探し始めた。 (*ちなみにプロポーズの際に御幸は栄純へ12本の赤い薔薇をプレゼントした) その本は、いつもなら本棚の隅に置かれているが、明らかに“使え”っといった感じで本棚の真ん中の目立つところに置いてあった。 「バラ…バラ…っとここか……え…栄純、ほ、本当!?」 「うん。まーそういう事。ビックリしただろ」 御幸は花言葉を見つけることが出来たが、その意味をすぐに理解することは出来きず、呆然と視線を栄純へと向けた。 向けた先にいた栄純は、照れくさそうにだが、今までで一番嬉しそうな顔で御幸へと近づき、御幸の手を取り自分へのお腹へと当てた。 「どうかなー間に合うかなって思ってたけど、プレゼント出来て良かった。来年の夏にはパパだな」 御幸は目に涙を浮かべ「ありがとう」っと小さく呟き強く強くぎゅっと栄純のことを抱きしめた。 大輪のピンクの薔薇 “赤ちゃんが出来ました” 「うわぁーうわぁーどうしよ。嬉しすぎて何も言えない」 「やりぃ。一也のこと泣かせた。」 「うぅ…だってよー。出ちまったんだからしょうがねーだろ。ったくいつ分かったんだよ?」 「今日。何か一也を驚かせたかったから、考えててさ。で、思いついたものの、こればっかりは自然に任せるしかないからさ。でも、何となく大丈夫って予感はしてたんだ」 「全くーお前ってやつは。お願いだから、無茶はしないでくれよ。」 今までも十分、心配性・過保護と思っていたが、更にバージョンアップするとは、この時の栄純は知らず、ただ最後の二人で過ごすクリスマスを満喫したのであった。 1月2日 「えー申し訳ありませんが、1時間で帰ります。妻は、諸事情により欠席です。」 新年早々、青道の新年会会場に御幸の声が響いた。 「は、何言ってんだよ?帰すわけないだろ?」 口ぐちに反論の声が聞こえるが、、質問は受け付けませんっといった感じで御幸は華麗にスルーし、一通り先輩方に挨拶をし、きっかり1時間で帰宅準備を始め、最後に爆弾を落としていった。 「私ごとですが、今年の夏にパパになるんで。来年は、お年玉の準備をお願いします。じゃ!!」 扉を閉めてから数秒の沈黙のあとに、会場内からもの凄い音が聞こえたのであったが、もの凄い勢いで妻のいる自宅に戻る御幸の耳には届かなかった。 *** 紫桜三咲様より頂いた御♀沢です…!! 会議でお会いして以来ツイッターでお話して下さっていたのですが、その際に「御沢書くよ〜(´∀`*)!」と神のお言葉を頂いて、その上更にその小説をまさかの頂戴してしまいました…! 初御沢とのことだったんですが…いやいやいや、初って!(ビシッ 安定した御沢の萌え感にそれはもう舐めるように読みましたとも!読みましたとも…!! こんな素敵なもの頂いてよかったんでしょうか…わ、私何もしていない(´;ω;`)ぐすん 三咲ちゃんは大事な大事な私のお嫁さんなので← とりあえずこれからも愛を貫くという方向で…へへ!← それにしても、御幸くそうこのやろうなんて幸せ者なんだ…! 可愛い嫁にぷらすして、子供までだと…! ごごごご…生まれた暁には、いいいいくらでも包んであげちゃうんだからね!!!(篠崎さんは貢ぎ癖があります) いつか私もにょ沢結婚話を書く約束をしてしまったので、初にょ沢いつか頑張りたいと思いますキリッ! この度は本当にありがとうございました!大切に大切にします(⊃∀`* ) 三咲ちゃん大好きです!ありがとうございました! そして!これからも宜しくお願いしますね!大好きちゅっちゅー! [←] |