40days 御沢祭 | ナノ
24days 御沢祭
LOVE! LOVE!!LOVE!!!
11.02.20〜11.03.30までは御沢の日!40本御沢!
御沢も皆も大好きです!




アマオト



* 年下御幸×年上沢村



俺の恋人は、1つ年上のとてもとても可愛い人。
甘くて甘くて、雨でも降ったら、溶けて消えてしまうんじゃないかと思うくらい、甘くて可愛い人。

甘いのは、態度も、言葉も、行動も、何もかも。
全てにおいて、甘い甘い、人。

今だって、そう。


「御幸。」


俺の名前を呼ぶ声が、鼓膜を震わせる。
響く甘音は、毒のように触れた所から染み込んで行くようだった。
厄介な、けれどとてつもなく、愛おしい存在。


「なんですか?」
「プリン食いたい。」
「…今からですか。」


時計の針は、既に90度に折れ曲がって重なっている。外に出るには、遅すぎる時間だというのに、腕の中にすっぽり収まる先輩は、至極当たり前のようにサラリと言ってのけた。
問いかけた言葉にも、当然の如く返って来る「うん」。


「…寒いのに。」
「いいだろ。俺も行くし。っつーか、連れてけ。ヒマ。そうじゃなかったら、球受けろ。」
「それは却下、です。」
「ちぇー。」


ぶうぶう唇を尖らせた先輩が、もぞもぞ落ち着きなく動く。
それをぎゅって抱きしめたら、甘えんぼ御幸?、と笑われた。

甘えん坊なんかじゃない。
だって甘いのは、沢村先輩の方。
だってなめたらきっと、舌の上で溶けて、それで、消えてなくなってしまいそうなくらいには、とろとろに甘くて、それで。


「プリン買ってくれたら、ハグしてやるぞ!」
「…変なトコ男前っすよね、沢村さんて。」
「期間限定か、クリーム付きなら、ちゅーしてやるし。」
「俺、なんか貢いでる気分なんですけど。」


きゃらきゃらと楽しそうに笑う沢村さんに小さく苦笑したら、んうー…と唸っていた頭が、ふるりと震えて、急に角度の変わった顔が、俺を真っ直ぐに見上げた。
顔から落っこちてしまいそうな二つの黒が、真丸に見開かれる。


「まっさか!」


ぎゃん、と大声を張り上げられて、キンッと少しだけ耳が痛んだ。


「貢ぐ、なんて、まさか。」


大口を開けた顔が、ふにゃりと緩む。
そのまま、その唇が象った、声。


「将来はこれのもっと何倍も、頑張って貰う予定だしー?」
まだまだこれから!


「……は…?」
「よっし、買い出し行くぞー!おー!」
「ちょ、ま、沢村さん!?」


ぴょんっと腕の中から飛び出した沢村さんが、ニヤリと笑う。


「期待してっから。…天才ルーキー、くん?」
「ずるいっスよ…。」
「たまには俺の方が優位に立ったっていいじゃん。」
「……アンタに勝てた記憶の方が少ないんですけど。」
「へへ!」
「…ほんと、アンタって人は…。」


紡ぐ言葉の、1つ1つの、なんてなんて甘い、甘いこと。


ほらやっぱり俺は、この人の甘いあまい毒から、抜け出せそうにない。












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