40days 御沢祭 | ナノ
24days 御沢祭
LOVE! LOVE!!LOVE!!!
11.02.20〜11.03.30までは御沢の日!40本御沢!
御沢も皆も大好きです!




I love you. Good Night.



沢村は、きらきらしてる。
太陽みたいに、自分で光って、月みたいに周りを照らす。
そして星みたいに、周りにきらきらと散らばる。

そう、沢村は、きらきらしてる。

(言動とか、行動とか?)


そう、そういうのもだけど。もっと、こう、根本的なところ。
魂が光る、だなんて、そんな言葉、よもや言うようになる日が来るなんて思わなかったけども。
沢村はきっと、全部が綺麗なんだと思う。


真っ直ぐで、
でも、何も“無い”真っ白なんかじゃなくて。
色々な光が集まって、その光源全部が混じって、全部を混ぜた、白になる。


沢村は、きらきらしてる。




「みゆき、」


眠いのか、どこか舌ったらずな声が、俺を呼ぶ。
伸びてきた手が、手首の布を引っ張った。引き寄せられる、腕。
けれどその力は酷く弱い。

寝ぼけてんな、
すぐに分かった。


「なんだよ、沢村。」
「んー…。」
「寝んの?」
「んー…。」
「…起きんの?」
「んー…?」
「どっちだよ。」


はは、と笑えば、へにゃりと連動するみたいに沢村の顔が崩れた。
もごもごと動く口が何かを言いたそうに開く。
普段は生意気ばかり言う口だし、普段からガキっぽいのはガキっぽいんだけど、こういう時はなんかこう…普段よりももっとあどけない感じが、なんかとてつもなくイケナイことをしてる気分になってくる。
…まぁ、今日の俺は清廉潔白、清い状態なんだけども。


「みゆき、」
「はいはい。」
「…の、夢見た。」
「…今の短時間で?」


沢村がまどろみ始めてから、まだものの数分。
寝付きが良い方だとは思うけど、まさかこんな短い時間で夢まで見るとは。
子供、と心の中で思えば、今変なこと考えたろ…と叱られた。

…なんでこう、変なところで勘が鋭いわけ?


「どんな夢?」
「…わすれた…。」
「なんだそれ。」
「でも、夢見た。」
「ふうん。」
「…そんで…。」
「…お前眠そうじゃね?寝れば。」
「うー…。」


完全に半分意識飛んでんだろうなってのは分かるけど、言葉をかければ返事が返って来る。
だから俺も、とりあえず返事を返す。その繰り返し。
多分いつか途切れるだろうと思っていれば、けれど、想像以上にはっきりとした受け答えが返ってきた。


「…おれ、さ、」
「おー?」
「これから、いろんな…もの見て、」
「うん?」
「いっぱいいろんなとこ、行って…、」
「…うん。」
「…いろんなこと、する…。」
「いきなりどうしたんだよ。」
「そしたらきっと…嫌なこともたくさん、あるんだと、思う…。」


沢村が何を言いたいのか分からなかったけれど、とりあえず伸ばした手で、ふわふわとした黒い髪の毛を捕まえる。
指に掬う髪の毛が、撫でる度に掌を擽った。それを何度も繰り返せば、目を瞑っているのか、開けているのか、寝ているのか、起きているのか…そんな状態の沢村が、小さな息を吐く。


「でも隣には、いっつも、アンタがいて、」
「…。」
「…多分それだけで、嫌なこととか全部忘れるくらい、しあわせ、なんだと思う。」


甘い、声が。
きらきら、光を帯びて、暗い室内に広がる。
空気がここだけ、妙に澄んでる気がした。


「いろんな人に、これからきっと、もっと沢山、会うんだ、俺も。…アンタも…。」
「沢村。」
「もしかしたら、世界には、俺よりアンタのことが好きなやつ…アンタより俺のことが好きなやつ、…もっとお互い、幸せになれるやつ、いんのかもしんねぇ、けど…。」
「…バーカ、いるかよ、そんなヤツ。」
「…でも、」
「うん?」
「…誰に会ってもたぶん、おれは、アンタが一番すきだなって、おもうだけだとおもう。」
「…っ、」


思いっきり大変なモン落っことして、それっきり聴こえなくなる声。
少しすると、すうすうと規則正しい寝息が聞こえてきた。


(……やられた……。)


沢村はそう、そうだ。自他とも認める、「ストレート一本勝負」の男。
変化球なんて無い。そんなの、分かってたはず。だけど。



「……返事する時間もくれねぇとか。…やってくれるよなァ、お前。」



安心しきった顔で、無防備に眠るその頬に手を滑らせて、指の腹を擦りつけたら、もごもごと小さく動くものの、起きる気配はない。
さっきまであんなにはっきり喋ってたのに、もう夢の中だとか。
…だから本当、ガキ。


「起きたら絶対コレ、知らねーの一点張りなんだろうな。」
別にいいけど。


同じ布団に潜り込んで、男二人にはちょっとだけ狭いベッドの中、ひっついた部分から感じる体温は、今日も変わらず温かい。



(…仕方ねぇから、連れてってやりますか。)


どこへでも。
だれのところへでも。
なにをするためでも。


なんねん、かかっても。



目を閉じても、感じる体温は今日もきらきらしていて、少しだけ眩しい。
目を閉じていても、分かる。その存在に。




「……おやすみ、沢村。」




一日が終わる言葉と一緒に、愛を囁いて目を閉じた。










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おやすみ。おやすみ。
愛おしいひと。








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