* プロ御幸×学生沢村 【リクエスト品】 なんというか。 沢村はいろいろと面白い。 見ていて飽きないというか。 というか、カワイイ。 何が、と言われれば、まぁ、いろいろと。 例えば突然の、発想とか。 「…ギャグだよなぁ、これ。」 「何が?」 「この広告。」 ぺらり、と新聞の間に挟まっていた薄いチラシの紙を差し出して来た沢村に首を傾げながら、そういって手渡された紙に目を落とす。 それは一枚の簡素な紙で、大きく書かれたキャッチコピーらしき一文から住宅販売のチラシだと知るが、どこにでも有りそうな普通の図面や文字が画面いっぱいに踊るだけの、何の変哲もないチラシ。 一体そのどこに興味を惹かれたのだと問いかけてみたら、会社名、って端的な答えだけが返ってきた。 (社名?) ふと、下の方に書いてあった控え目なフォントの文字を見て、反射的に口に出す。 「み?」 「…さわ、ホーム。」 「…は?これがどうした。」 「ほら、なんか、俺と御幸の名前合体したっぽくね?」 もう一度、ほら、と笑いながらどこか得意げにチラシを差し出す沢村(まるで「新発見!」とでも言いたげな顔だ)の指が、妙に角ばった文字をなぞる。 それを目で追いながら、ふうん、と息を漏らすと、逆にチラシのその他の部分に目をやった。 並んでいるのは、小奇麗な住宅の外装に、部屋の見取り図。消費者の興味を誘う文句が躍る文面。そんな華やかな画面と、何やら自分の発見がよほど面白かったのか、なぜか上機嫌な沢村を見比べる。(いつもだけども、こういう沢村の思考回路や笑いのツボはいまいちよくわからない。) でもまぁ、なんて可愛い発想。 緩んだ頬を隠すように頬杖をついて、興味深そうにチラシを覗きこむ沢村を眺めていると、なんだか無性に妙にからかってやりたくなる衝動にかられる。(多分沢村が悪い。) 「…沢村がそんなに積極的だとは思わなかったなァ。」 ふうん、と意味深に呟けば、案の定、想像した通りに沢村の顔が目に見えて中央に寄った。 それに内心で、こっそりほくそ笑む。 「はい?」 「それならそうと言ってくれればよかったのに。俺は大歓迎だけど?」 「…あのー、仰ってる意味が分からないんですが。」 「え?俺と苗字共有して、一緒に住みたいっていう遠回しのアピールだろ?今の。」 「へ?」 「まさか、沢村からプロポーズされるとは思わなかったわ。」 「は、あああ!?」 「なんだよ、水くさい。普段通りストレート一本で攻めてこいって。」 「ちょっ!?ちが、ちがう!なんか違う!!ちょっと、御幸!!」 ひょいっと、慌てる沢村からさっきのチラシを遠ざけて、にやにや笑う。 焦ってる沢村ってなんだかすげぇ加虐心擽られるんだよなァ。…なんか動物っぽくて。普段から動物だけど。 「とりあえず、次のデートはここな?」 取り上げたチラシにあった地図を指さして、その先の「住宅展示会ご自由にご来場下さい」って文字に、真っ赤になって慌てる沢村を見て、大声を上げて笑った。 ほんと、カワイーやつ! ---------------- 「プロ御幸×学生沢村あたりでミワサホームデートネタ」とのことだったのですが、…何この子たち、デートでかけてない…! ううう…!申し訳ありませ…!というわけで、折角前フリを御幸にしてもらったことですし、また祭りの中でリベンジ(続き)を…! 素敵なリクエストありがとうございました!そして、例の会社名はやっぱり建物でもCMでも見かける度にドキドキしますよね…!幸せ(´∀`*) というわけで、御沢愛!ありがとうございました!大好きですー! [TOP] |