▼ラヴィーネ
もう行ってしまわれるんですか?
このカッターシャツ
お借りしていてもよろしいですか……?
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空が淡く明るむまで長居したというのに、名残惜しそうに少女は言った。
彼女の声は、硝子の洋杯の奏でる音のようだ。思いがけず昨晩の甘い声が蘇り、欲が沸く。
雑念を払うように髪を掻き上げ、彼女の問いかけを了承する。返事を聞いた彼女は微笑をつくり、見送りのために寝台から降りた。
サイズの合わないカッターシャツの下からは、すらりとした白い脚がのぞく。
そして小柄な少女をより、小さく見せた。
2019/09/27