01
雷閃のスパルタトレーニングから目が覚めた。見慣れない天井が視界に入る。時計を見ると、針は午前3時45分を指している。外は当然暗い。一般的に考えて、まだ夜中とも言える時間なのだから仕方ないか。

二度寝するには時間がない。かといって行動し始めるのには早い。

何をしようかと数少ない家具の中のクローゼットを開けようとして、そこには団服が1着だけ入っていることを思い出す。

そういえば昨日リナリーと別れる際に、入れておいたと言い渡されていたのだった。

早速着替えようとするが、しかし、どんなデザインなのだろう。リナリーのようなミニスカートは、はけない。無理だ。そもそも女らしくあれというのが無理だ。女らしい格好など、自分が着ているのを想像するだけで鳥肌が立つ。スカートではないことを祈りつつ、思い切って団服を取り出す。

助かった。まずそう思った。

上はほぼリナリーと同じ。下はショートパンツに取り外しのできるレッグカバー。ベルトのあしらわれたそれは自分好み。太腿から膝下あたりまで剥き出しなのが防御性に少しの不安を覚えるが、文句なしの逸品だ。

早速真新しいそれに袖を通す。鏡がないから確認のしようがないが、趣味通りの格好になっていることだろう。

私はどうも女の子らしいことに興味がない。花だとかハートだとか。ピンクの服だとか。私が身につけるのなんて有り得ない。そんなものよりもかっこいいものの方が好きだ。

いや、しかし、小動物などの愛らしいものが好きだったりするのだから、自分の好みがよくわからない。

もう一度時計に目を向ける。4時20分。なんとも微妙な時間だ。本もない。ケータイもない。時間を潰せるものがなにもない。どうしたものか。頭に浮かんだのは、雷閃の『向こうでも鍛錬してろよ』の言葉。そうか、その手があったか。

昨日のリナリーの案内を思い出しながら、修練場へと足を向ける。


- 29 -
*prev | next#
return
top
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -