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ある程度教団内を見て回り、今は自分の部屋の前。漫画では見れないような場所もあって、結構面白い。ただし、コムイの実験室フロアはスルーされた。別段見たいとも思わないが。


「ねぇ、黎音は今いくつ?」

「ん? 14だよ。リナリーは?」

「私は15歳。私の方がひとつ上なんだね」


やはり漫画とは1年の差がある。つまり伯爵が動き出すまで、1年。それまでに戦闘に慣れておくのが無難か。


「たまに遊びに来てもいい? 同じような歳の女の子って、少ないから」

「いいよ〜。でもさ、家具って少ないんだね」


あるのはベッドとクローゼット。本当に必要最低限だけだ。困りはしないのだが、本棚がないとどうも自分の部屋という気がしない。


「街に出れば色々買えるわよ。今度一緒に行きましょう」

「うん、その時は案内お願いね」

「勿論よ」


去っていく背中を手を振りながら見送る。リナリーと買い物に行くのだったら、誰か荷物持ちが必要だろう。ラビでいいか。

女の子の買い物、か。出来る気がしない。女失格だな。気にしない。

部屋へ入る。個性のない部屋だ。さて、何をどう飾ろうか。本棚は必須だ。その為の本も。いや、図書室があるからそこに入り浸ろうか。部屋の片づけが楽になる。リナリーに案内してもらったが、一度では覚えきれない。後でラビに案内してもらおう。

ラビと言えば。隣が彼の部屋らしい。最初に会ったのも彼だ、何か縁でもあるのだろうか。

考えるのが面倒になってきた。仕方ない。もう夜も遅いのだから。それほど夜更かしのできない私には辛い。後はもう明日考えることにしよう。そう思いベッドへダイブする。すぐに眠気が襲ってくる。思考を放棄し、睡魔に身をゆだねた。


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