05
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気絶するかと思った。これが正直な感想。
「だいじょーぶか、黎音」
ええ、ホント。死ぬかと思った。いや、今も死にそう。主に出血多量の方で。なぜなら、ラビにおんぶしてもらっていますから。あれだよね。鼻血出しても怒られないよね。ああもう、トリップ最高すぎる。
「わりー、そんな怖がるなんて思ってなくて」
「ん、大丈夫。……じゃないけど」
「どっちさ!?」
そうこうしている内に、門番の前へ。そこで降りるよう促される。もう少し堪能していたかったのに。
「なに?」
「コイツの検査受けねェと入れねェから」
その言葉に反応したかのように、顔の部分がぐおんと飛び出してきた。思わず口の端が引き
攣る。目の部分が光ったかと思うと、門番の顔に――いや全部顔だけど――汗が浮かび始めた。汗腺あるのか。そうじゃない。この反応は。
《コイツアウトーッッ!》
「「ハァ!?」」
見事にラビとハモった。
《どういうことだよ、姿が映らねェ! 人間じゃねェぞ!》
「なにおう! 私は正真正銘 人 間 だ!」
《コイツ――千年伯爵の
仲間仲間だぁぁーッッ!!》
おい、どうしてこうなった。
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