02
白で統一された四角い家が建ち並ぶ。その間、舗装された道を進む。

怪盗Gの事件が終わり、ダークマターの影響で発熱した孤児院の人間と、ティモシーは先に教団へ向かった。しかし自分達は応急処置を受けた後、すぐに別の任務へ向かわされた。

ちらりと前方を盗み見る。先を行く神田の表情は、いつもと同じ――いや、それ以上に仏頂面だ。はあ、とアレンはため息をついた。どうやら、状況を把握しきれていないのは自分だけらしい。

鴉と名乗る彼らから言い渡された任務は、リムセというエクソシストを連れ帰ること。
現在エクソシストは14人しかいない。戦力確保の為に、一人でも多く欲しいのだとか。戦闘にはならないと判断され、直ちに向かうよう言われた。

彼の名が出た瞬間、神田の目の色が変わった。あれほど他人に興味のない神田が、だ。神田と縁のあるマリに聞こうとしたが、彼も彼でリムセという名に眉を(ひそ)めていた。有名人なのだろうか。なんにせよ、置いてきぼりを喰らった。


「結局、リムセって、一体誰なんですか……」


ぼやきながら、中国のとある町へ至る扉に手をかける。神田はもう勝手に行ってしまった。早く追いつかなくては。

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