小説 | ナノ
好きな子との話 @(田噛/木舌/斬島)

田噛

「愛してるって言われたい」
「は?」
「言葉通り」
「そういうの喋るゲームでもしてろ」
「夢がない」
「元からそんなもんねぇだろ」
「田噛言ってみてよ」
「死ね」
「そんな事言わず」
「木舌に酒でもやればいくらでも言うだろ」
「じゃあそうしようかな」
「……」
「この焼酎でいいかなあ」
「おい」
「なに」
「……あ…」
「あ?」
「あほんだら」
「!!」

木舌

「愛してる」
「うん」
「本当だよ。恐らく世界で一番愛してる」
「知ってる」
「おれは本当に心から酒が好きだよ。こんなに美味い酒は久しぶりに飲んだ。酒がなかったらおれは生きて行けないね」
「周知の事実だよ」
「これでおれの事を愛してるって言ってくれる子がいれば最高なんだけどなあ」
「酒瓶が喋るシステムができる日を待つんだね」
「それよりもっと手っ取り早い方法があるよ」
「なに?」
「なまえ、愛してる」
「え」
「ほら!おれにも!」
「愛してるって言えば同じ言葉が返って来ると思わない事だね」
「冷たいなあ」
「このビールの方が冷たいよ」
「おっ!いいね〜。よし、一緒に飲もうか!」
「愛してる」
「え!」
「ビールをね」
「…本当?」
「内緒」

斬島

「好かもしれない」
「へえ」
「何だその気の抜けた返事は」
「びっくりして」
「気付けばその事ばかり考えている」
「甘党だったんだ」
「この前は佐役からてぃらみす≠ネる物を貰った」
「どうだった?」
「茶色なのにまた餡とは違う甘味が口の中に広がった。しかしその後ほどよい苦味が…」
「食レポみたいになってるよ」
「しかし糖は身体がだらしなくなる、その分鍛錬せねば」
「うっ…」
「どうした」
「いや、別に…」
「しかしやはり和菓子が一番落ち着くな。そうだ、肋角さんから羊羹を貰ったんだ。一緒にどうだ」
「えっ、いいの!?」
「ああ、一人ではいくらでも食べてしまう。それに一緒に食べた方が美味しいらしい」
「…そうなの?」
「ああ、木舌が言っていた。好意を持っている相手と飲食を共にする方が美味しく感じるらしい。あいつは綺麗な女性なら誰でもいいとか言って夜な夜な変な店に出掛けているが…」
「えっ、今なんて」
「木舌か。まれに佐疫が引っ張って帰ってくるがな。最近はじーぴーえす機能を付けようかとか言っていたが…デバイスの事はまだよく分からん」
「いや、あの酒くさい奴の事じゃなくて」
「…?ああ、そのままの意味だ。俺はなまえに好意を持っている」
「…!ス、ストレート過ぎるでしょ…」
「なぜ顔を隠す。まあいい、早く羊羹を食べるぞ」
「はーい…」






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