小説 | ナノ
花をあげたり貰ったりするSS(田噛/木舌/谷崎)

田噛(リナリア)

「……」
「……おい」
「……」
「いつまでもメソメソしてんな、邪魔だ」
「…してない」
「してんだよ、少なくとも俺のサボりの邪魔だ」
「…どっか行けばいいじゃん」
「ここが一番ばれねぇんだよ」
「……」
「色恋なんて、くだらねぇ」
「うるさい」
「おい」
「…なに」
「あれ」
「…チューリップ…?」
「黄色の。花言葉が望みの無い恋。今のお前にぴったり」
「…花言葉知ってるとか、気持ちわるっ」
「馬鹿なお前と違って博識だからな」
「……」
「これでも部屋に飾って籠って泣いとけ。そして俺の分も仕事をしろ」
「…なにこれ」
「リナリア」
「…これも花言葉とかあんの?」
「しらね」
「…ていうか、花壇から勝手に摘んじゃ駄目でしょ」
「いいんだよ。その内生えて来んだろ」
「…帰る」
「だるいからとっとと行け」
「人でなし」
「人じゃねぇし」

リナリア この恋に気づいて


木舌(クローバー)

「あー!」
「どうしたの?」
「四葉のクローバー!」
「え、本当?ついてるね」
「やったー!」
「はは、良かったね」
「木舌にあげる!」
「え、いいの?」
「うん、緑だし!」
「…?よく分からないけど、ありがとう」
「幸運って意味があるんだよ!」
「おれも知ってるよ」
「あとね、もう一つあるの知ってる?」
「え、それは知らないなあ」
「あのね、わたしのものになってって意味!」
「えっ…」
「受け取って、くれる?」
「…なまえ、おれの知らない内に大人になったんだなあ」
「なにそれ!やっぱあげない!」
「だめー、もうおれの物」
「返せ!」
「ははは」

谷崎(ホワイトレースフラワー)

「こ、ここ、この前は、助けていただいて、あの、その」
「ハッキリ喋れ」
「た、たすけていただいてありがとうございました!」
「…この白いのはなんだ」
「お、お花です。その、お詫びというかお礼の気持ちで…」
「いらん」
「えぇ!?」
「…なぜ花なんだ」
「あの、これ、感謝が花言葉で…」
「…弱そうな花だ」
「え!でもお水に浸けてたら、しばらく綺麗に咲きますよ!」
「いらん、性に合わん」
「貰ってやったらどうだ、谷裂」
「「ろ、肋角さん!」」
「仕事上、感謝を忘れないのは大切な事だ。それを素直に受け止めるのもな」
「!わ、分かりました…俺が未熟でした、申し訳ありません!」
「…ちなみにその一緒になっている青い花は、実は別の花だろう」
「そ、そうなんです!さすが肋角さん…」
「花言葉も別だな」
「!!」
「まあ、仲良くな」
「あ、肋角さん!…おい、貴様!こっちの花言葉は何だ!」
「い、言えません!」
「なんだと!くそっ、肋角さんに不勉強だと思われてしまう…」
「し、調べても駄目です!」
「なに、邪魔するな!」


ホワイトレースフラワー 感謝
ブルーレースフラワー 無言の愛


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