小説 | ナノ
斬島とマニキュアの続き(木舌)

斬島から逃げる様にうどんのトレーを持って席に座ると、木舌がやって来た。
この男は365日酒くさいのではないかと思う。


「やあやあなまえ、青春してるねぇ」
「うるさい、酒くさい、オヤジくさい」
「ひどいなぁ、一杯飲む?」
「…飲む」
「おっ、珍しいね。じゃあそのうどん一口ちょうだい」
「…あんま食べないでね」
「お、案外うまいな。まあそう怒るなよ。斬島に悪気はないんだって」
「わたし助けてくれなかった木舌に怒りを感じてるんだけど」
「だって、もっと斬島に触れられてたかっただろ?」
「何言って…」
「なまえ、顔真っ赤にしちゃって可愛かったなあ。あれで今晩ベッドに誘わない斬島がどうかしてるんじゃないかとおれは思うね。あんな女の子が目の前に居たら、おれだったら部屋に連れ込んでイタダキマスしちゃうよ」
「この酔っぱらい」
「んふふ、お酒のせいもあるけどね。なんだったら今晩どう?優しくするよ」
「馬鹿な事言ってないで、吐く前にやめなよ」
「あ、激しい方が好き?おれはどっちでも大丈夫だけどね」
「ほんと一回アル中で死んだ方がいいんじゃないの?」
「手厳しいなあ」
「おい、さっきからピンク色の会話してんじゃねぇよ。うぜぇ」
「田噛、この酔っぱらいなんとかして」
「お前も飲んでるじゃねぇか」
「こいつわたしの20倍くらい飲んでるよ」
「だりぃ…」
「よーし!今日は飲むぞ!ほら、田噛も!」
「ふざけんな」
「つれない事言わないで、ほら」
「てめ、抑え込むんじゃねぇよ!」
「まあ、この際木舌に全部酒代持ってもらって飲もうよ」
「…チッ」
「斬島ー!佐疫ー!みんなで飲むぞー!」
「ちょっ、斬島呼ばないでよ!」
「はははは!」



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酔っぱらいが引っ掻き回す



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