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5.5


※この話は某有名掲示板の話しを元に創作したもので、一部引用も含みます
  元ネタURLは解説の方に記載してます


------------ キリトリ ------------


(グリーン視点)

レッドのいる部屋を後にして、オレはリーフの方へ向かう。
心配な気持ちから、自然とその歩調は速くなった。

レッドにはえらそうに『籠女唄』の起源なんて語ったが、何のことはねえ。
元凶だけわかったところで、あいつを祓えるわけじゃねえんだ。
早く解決策を見つけてやんねえと、あいつも、リーフも壊れちまう。

「畜生っ」

自分の力不足に反吐が出る。




「リーフ、大丈夫か?」

ガラガラと和室に入れば、息苦しそうに寝るリーフがいた。
レッドからあいつの興味を自分へ移してからというもの、リーフは毎日高熱にうなされている。
顔はやつれきり、目の下の隈から、ろくに寝れていないのも分かる。
…自分でひっかいた首の傷。それを隠すために巻かれた包帯が、痛々しい。

「グリーン、くん…」

苦しそうにオレの名前を呼ぶリーフ。
助けを求めるように伸ばされた手を掴んでやると、リーフは安心したように少し微笑んだ。

「レッド、目を覚ましたぜ」
「…そっか」

オレの報告を受け、リーフは悲しそうな表情を浮かべた。

「じゃあ、また、レッドくんのとこにいっちゃうんだね…」

―レッドくんを眠らせている間は、わたしの方へ興味を向けることができるから―

そういってアイツの苦しみを、全て自分の方へ向けたリーフ。
いまだって相当しんどいだろうに、弱音すらはかず、ただアイツがレッドのとこへ戻って、また苦しめることに心を痛めている。
なんで、どうして、リーフが、レッドが、そんな思いをしなきゃなんねえんだよ。
コイツらが何したっていうんだ!

「リーフ、無理すんな。お前は充分がんばった、もういいんだ」

寝込んでからいくらか細くなった手を握り締める。
けれどリーフは、ただふるふると首を横に振るだけだった。

「ごめんね」

誰に謝ったものなのか。
オレか、レッドか、それともアイツなのか。
それを聞く間もなく、リーフは意識を手放した。






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