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何がどうなったのかわからない。
並中を卒業し、高校生になった今でも健在のダメツナっぷりを発揮し、土手…というか、崖から転げ落ちてしまい、下にいた雲雀さんに激突してしまうという怖ろしいまでの死亡フラグを立てて真っ青になっていたところで、不意に明後日の方向から、銃撃が聞こえた。一体何事かとそちらに視線をやったところで…見なければよかったと後悔した。
そちらには、こわーい顔をしたお兄さん達が大勢でお出迎えしてくれていたのである。


あ、やべ。俺死んだ?


今のところ認めてはないとはいえ、腐っても俺は時期ドン・ボンゴレ。狙われる理由は十分すぎるほどにある。そんな風に思考を彷徨わせて、だらだらと冷汗を流していると、不意に雲雀さんが立ち上がった。途端、雲雀さんが服の中に手を突っ込み、中から何か黒いものを掴んで放り投げる。

あれは…手榴弾!?

俺がそれを認知するが早いか、上に放り投げた手の勢いのまま服の中から拳銃を掴み取り、息つく間もないスピードでそれを乱射する。手榴弾の爆撃に当たらなかった敵を的確に狙い撃ち、あれほどいた敵は僅か五分ほどで全て地に伏せてしまった。



「…やっぱり来たか、」
「え、え…!?ひ、雲雀さ…」


「いるんだろう?赤ん坊」
「気付いてやがったか…」
「まぁね。で…?何か言いたいことは?」
「…あの連中、ツナではなく、お前を狙っていたな」
「……、」
「どういうことだ。次期ボンゴレであるツナを差し置いて、お前が狙われる理由がわからねぇ」



混乱する俺を置いて、突然現れたリボーンと雲雀さんは話を進めていく。
核心を突くリボーンに、雲雀さんはしばらく黙った後…溜息を付いて、口を開いた。


「…ま、僕も人に恨まれる理由に事欠かないからね。…なんて理由じゃ、納得してくれはしないだろう?」
「当たり前だ、」
「……仕方ないな。まぁいい、この件は僕だけの手に負えるものではないとは思っていたから、名の知れた殺し屋である君に知られても、構わない」



そう言って、踵を返す。
付いて来いと無言で促すその背中に、俺達は黙ってついていった