何もかも話してしまうことが本当に相手のためなのか、僕にはわからない。







「……何事?」
「……うん、ちょっとね」

最近何かと騒ぎを起こしてくれている三人組が、ついに応接室を来訪した。
今までにも散々苦情やら被害届やらが僕のもとに舞い込んでくるせいでかなり参っていた僕としては、出来ることなら関わり合いになりたくないなぁと思っていた矢先にこれだ。
神様とやらは、どうやら僕が相当お気に召さないらしい。
爆破の被害に遭った応接室を見て、名前が若干引き気味の表情を見せている。
…うん、僕も最初唖然としたよ。
なにやらかしてくれてるんだ、あの赤ん坊は。
片付けるの、誰だと思ってる。僕だよ、このやろう。
そもそも、ここは日本で、日本では銃刀法という法律があるはずなんだけど…って言っても無駄か。
どうせマフィアだから、とかいう意味のわからない言い分で流すか、ボンゴレだかなんだかの名前を引っ張ってきてなあなあで済ますが目に見えている。
これだけの被害が出ているというのに、あちらから何のアクションもないのがいい例だ。
そんなわけで、僕の中の彼らの印象は悪いが色々と散々である。最初の頃は面白いことしてくれるな、と思ったりもしたけど、後片付けも無し、犯罪に引っ掛かって逮捕当然のことの尻拭いすら人任せとはどういうことだ。
僕は掃除屋じゃないんだよ…。


「…また、いつもの?」
「まぁね…いい加減、これは宣戦布告と受け取ってもいいと思うんだけど…」
「うーん…話を聞いてる限り、あっちにそんなつもりはなさそうだよね…」
「だから性質が悪いんだよ…」


名前は、立ち入ったことは聞いてこない。
僕が止めたからじゃない。自主的に、そうしているみたいだ。
もちろん、聞かれたら答えてあげるつもりでいるけれど…名前は、わかってるみたいだった。
賢い、子だから。
彼らに関わるということがどういうことなのか、少ない情報で、理解しているみたいだった。


「…とりあえず、片付けようか。手伝うからさ、」








何も話さず傍に置くのと、敢えて全てを話してしまうのと、一体どちらが彼女を守る近道なのだろう。

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