幼馴染から恋人になったからって、何もかもが変わるわけじゃない。
むしろ、変わらないことの方が多いくらいだ。

「恭弥ー、帰ろー」
「ちょっと待って、もうすぐ終わるから」

一緒に帰るなんて、幼馴染のときも当たり前にやっていた。
風紀委員会のせいで、登校は別々だけれども、大抵は一緒に帰っている。
それは、恋人に昇格しても同じこと。

「終わったよ」
「ん、お疲れ」

そして、同じ家に帰るのも、同じこと。
だけど変わったこともある。




「名前、」
「何?…んっ」

唇に感じる淡い熱。
部屋に入った途端、腕を引いて口付けられたのだ。

「…好きだね、キス」
「君だからね」

そんな言葉を恥ずかしげもなく言う恭弥には、降参せざるを得ない。
滅多に冗談なんか言わないから、その言葉は本物なのだろうから。
変わらない日常と、変わった関係。
どちらからともなく笑いを零して、夕飯の支度に取り掛かった。








そういうわけでの新連載、ビタースウィートの続編です
これもそんなに長引かせないつもりです
よろしければお付き合いください

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