「名前、風邪引いた」
「何やってんのよ…」
「病院にいるから、着替えよろしく」
「はいはい」


これもあの厄介な奴らのせいだ、くそやろう。
…口が悪いって?知らないよ、僕は彼らのせいで風邪を引いた、いや引かされたんだから。
あの辺の起こす騒ぎの後始末のせいで僕はサラリーマンもびっくりな残業具合だよ、残業手当も付かないっていうのに…あぁ、もう。
そんな荒れに荒れた精神状態の時に、彼も不可抗力とはいえ騒動の渦中しある人間が来たら、ちょっと八つ当たりしたくなるのは、人間の心理だと思うんだよね…。
というわけで、この件に関しては、僕は何も悪くない。
うん、多分、5%くらいは。
そのせいで彼がよくわからない謎の部屋に押し込まれたとしても、僕は知らないから。
そう現実逃避なのか自己完結なのかわからない自問自答を繰り返していると、タイミングを謀ったかのように名前が病室に入ってきた。
うん、ある意味ベストタイミング。
後五分早ければ、あの騒動に巻き込まれていたよ。


「早かったね、」
「そう?あ、これ、着替え」
「ん…、」


…はぁ、あの爆発をどうやって処理しよう。
もうサプライズ花火じゃ駄目かな?
…まずい、僕も彼らにだいぶ感化されてきているようだ。
というか、照れると爆発する子供とか、何それ。名前に散々、僕は人間じゃないとかおかしい生命体だとかなんだの言われてるけど、あそこまでおかしくはないと思うんだ。少なくとも、僕は赤ん坊の頃から拳銃ぶっ放したり銃弾を撃たれたら素っ裸になって女子生徒に告白したりバットを振ったら真剣になったのに気にせず使ったりとか、そこまでおかしくないから。
それなりの一般常識は持ち合わせていると自負している。ただ、常識に縛られはしないだけで。
その時点で普通からはかけ離れているのかもしれないが、少なくともあの集団と一緒にされるのだけは勘弁して欲しいと思うのだ。


「そういえば、さっき爆発音がしてたって騒ぎになってたんだけど…」
「……」
「………」
「…………」
「…あー、うん…まぁ、その、頑張って?」


過労死する前に、一発くらい殴っても罪にはならないと思うんだよね。

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -