幼馴染なんて、一番曖昧な男女の関係だと思う。
なんせ、家族でも友達でもましてや恋人ですらないんだ。
それでも、なんだか近くて一緒にいると安心して、離れられない、関係。
少なくとも、私と恭弥の関係は、それだ。
親同士が仲でもよかったのか、気付いた時には一緒にいた。
それは、恭弥が並盛最強の風紀委員長になっても変わらない。
二人とも、所謂名家と呼ばれる家の生まれで、両親は何かと忙しく、必然的に二人で行動を共にするようになった。
マンションで互いに一人暮らしを始めた今も、何だかんだで互いの家に入り浸っている。
泊り込みなんかしょっちゅうだ。
現に今、私の家に恭弥はいる。
風紀の粛清という名の一方的なリンチの帰りに寄ったらしく、暑いとシャワーを浴びている。
そして、それを気にせずリビングでアイスを頬張る私。
しばらくして、恭弥が上半身裸で風呂場から出てきた。
濡れた髪をタオルで拭きながら歩く様は、悔しいことに色っぽい。
とはいえ、いつものことなので私は幸か不幸か耐性が出来てしまった。


「名前、上がった」
「ん、おつかれー。アイスあるよ」
「食べる、」


いそいそと冷凍庫からアイスを出して頬張る恭弥は素直に可愛いと思う。
幼馴染の特権だ、こんな姿を独り占めできるなんて。
髪もほとんど乾いたのか、タオルを洗濯機に放り込んで、上着を羽織って私の隣に座った。
なんとなく見ていたバラエティ番組を一緒に見て、時々他愛ない会話を交わす。
何とも色気のない日常だけど、これが私達の関係だ。










後書きのような何か。
続くかわからない雲雀くん幼馴染連載。
8月16日の一周年記念になるといいな。
間に合うといいな。

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