まさかの、恭弥とのキス。
嘘、嘘でしょ。
確かに嬉しい。嬉しいけれど…
いるかどうかもわからない神様。
こういうことするなら、もう少し場所を考えてよね!


周りに集まってくる生徒達の間を駆け抜けながら、熱く火照った顔の熱を必死に冷まそうとしてみるけど、どれもこれも空回り。
唇に残った僅かな熱が、身体に絡みつく真夏の空気よりも熱く思えて、冷静さを根こそぎ奪ってゆく。
駆け込んだ先は、近くにあった音楽室。
放課後の今、ここには誰もこない。
窓際の方に行って、机に座って気持ちを落ち着けようとする。


…まだ、心臓が踊っている。
ああ、もう。
どれだけ忘れようとしても、あの時の恭弥の顔が、瞳が、吐息が、全てが脳裏に焼き付いて離れない。
さらさらの髪は、気持ちよかった、なんて。


「…私は変態か」
「へぇ、名前、変態なの」
「っ…!?」


いるはずのない人物の声に、弾かれたように振り替える。
そこには、普段通りの恭弥がいた。
手をついていたドアから手を離して扉を閉め、足音を響かせながら歩み寄ってくる。
思わず、無意識のうちに後ずさっていた。


「きょ、や…」
「ねぇ、名前…」


私の座る机に手を付いて、顔を近づけられる。
逃げようにも、後ろは窓で、どこにも逃げ場はなかった。
あれ、なんでかな。
見慣れてるはずの恭弥の顔が、今は何だか別人みたいだ。
切れ長の瞳の奥には表現し難い炎が揺らめいてるようで、思わず息を呑んだ。
こんな恭弥、知らない。










あれ…?やばいコレすぐ終わりそう。
というか、初々しい青春は、書いてるこっちも恥ずかしいですね笑)

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