しくった。
とりあえず、今の状況の感想はその一言に尽きるだろう。
目の前には、恭弥が見たら確実に咬み殺すであろう校則違反な化粧をした三年の先輩方。
…余談だが、私も恭弥も今は二年である。傍若無人な幼馴染のことは、正直本当か怪しいが。なんせ、年齢を聞いたら「名前と同じでいいよ」なんて言うんだから。
…可愛いなぁ、おい。
ちなみに、小学生の頃の話である。
いかん。そんなことを考えている場合じゃなかった。


「名字さん、貴方、いくら雲雀様の幼馴染とはいえ、ちょっと近づきすぎじゃなくて?」
「そうよ!雲雀様と相合傘って…彼女でもないくせに、生意気なのよ!」
「そんなこと言われても…」


うわあ、まずい。
これ、恭弥のファンの子達だ。昨日の相合傘を見られたらしい。
あんな性格だけど、顔と品だけはべらぼうにいいから、こうして女の子達に影でキャーキャー言われているのを知っている。
わかる、わかるよ。かっこいいもんね、恭弥。
でも、私にあたるのはお門違いだと思うんだ!


「あれは、恭弥の方から…」
「生意気なのよ、二年の癖に!!」
「名前呼びってなんなのよ!」


…知るか!
雲雀、って呼ぶとものすごく不機嫌になるんだよ!
っていうか、二年の癖にって言うなら、恭弥だって二年だ!(…多分)
めんどくさい…この人たちめんどくさいよ!
何言っても文句言われるんだもん!


「雲雀様に近づかないで!」
「いや、無理ですって」
「口答えしないでよ、痛い目に遭いたいの!?」


嫌です。
なんて言う暇もなく、思い切り頬を叩かれた。
顔は女の命なのに。
さすがにイラッときて、反撃しようと思ったその時、


「…ねぇ、何してるの?」


凛とした、透き通った声が響く。
美しい声だけど、その威圧感は半端ない。



「ひっ、雲雀様!?」



最強最凶の、何様僕様委員長が、やってきた。

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